自由を剥奪される国民にテレビが加担
「政府や自治体の対応はゆるいのではないか」「もっと思い切った規制をすべきではないのか」、テレビにはそういった論調があるように私は感じます。それがすなわち「国家に対して国民の自由を規制するよう要請している」ように私には聞こえて、胸騒ぎがするのです。
2019年よりユーチューバーデビューも果たした藤村氏(YouTube『藤やんうれしーの水曜どうでそうTV』より)
「大げさな」と思われるかもしれません。「今はそれもしょうがないだろう」と思われるかもしれません。しかし歴史上、自由を勝ち取るために払われたあまりにも大きな犠牲を考えれば、たとえ一時的ではあっても、自由を剥奪されることに、そこにテレビが加担することに、恐怖を感じざるを得ないのです。
ただ、テレビの、特にワイドショーや報道番組の、視聴者層に高齢者が多いことを考えれば納得できる一面もあります。世間に対して時に過剰なほどの注意を促すことは、すなわち「弱い立場の高齢者を守る」という姿勢を強くアピールすることになるからです。
感染したら命にかかわる可能性が高い高齢者は外出を控え、家でテレビを見ている人もきっと多いでしょう。そんな人たちに寄り添い、頼りにされる存在となるには何を伝えるべきなのか、テレビマンたちは日々考えていると思います。
しかしそれが、外出している人に悪意の目を向けることや、行動を規制すべしと訴えることで高齢者の同意を得ようとしているのなら、それは誤ったやり方です。そんな論調を続けていく限り、高齢者以外の世代からは信頼を得られません。特に若い世代からは見向きもされません。
