箱根予選会で好走を見せた中央大1年の吉居(時事)
全国高校駅伝の1区は各校のエースが集まる激戦区だが、青学大の佐藤は八千代松陰3年だった2019年、そのエース区間で同年代のライバルたちに勝っているわけだ。全国高校駅伝の1区で区間賞を獲った選手は、渡辺康幸(市立船橋→早稲田大)、大迫傑(佐久長聖→早稲田大)、久保田和真(九州学院→青学大)など、大学進学後も1年生からチームの主軸となるケースが目立つ。今回の箱根にチームのエースとして出場する東海大4年の名取燎太、早稲田大3年の中谷雄飛も、佐久長聖時代に全国高校駅伝で1区区間賞を獲っている。青学大・佐藤はこの華麗な系譜に名を連ねることができるか注目されているのだ。
上記で名前の挙がった三浦、吉居、佐藤、石原の4人はルーキーの「四天王」とも称されるが、「4人以外にも、全日本の1区を走った東海大の佐伯陽生はトップから16秒差(区間7位)の走りを見せており、今回は1年生の力が侮れません」(スポーツ紙デスク)というように、どのチームの新戦力が爆発するか、目が離せない。東海大の佐伯は区間エントリーで4区に配置された。
優勝争いに関しては、連覇を狙う青学大が順調な仕上がりを見せて筆頭候補とされ、これに前々回優勝の東海大、全日本で激戦を制して6年ぶりの優勝を飾った駒澤大を加えて3強と見られている。さらに、全日本で青学大をかわして3位に食い込んだ明治大が絶好調で、選手層の厚さもあって4番手。それ以外では、早稲田大、予選会上位の順天堂大、中央大といった注目ルーキーのいるチームがダークホースと見られている。1年生ではないが、10月の多摩川5大学対校長距離競技会の10000メートルで優勝したフィリップ・ムルワ(2年)を擁する創価大もおもしろい存在だ。ムルワは前回の箱根には出場していないだけに、ルーキーとともに初めての箱根路への適性が試される。ムルワは創価大でエース区間・2区に起用され、当日の走りに注目が集まる。
新戦力が活躍すれば、「次の箱根」まで楽しみが膨らむ。紹介した選手を含め、ルーキーの活躍にもぜひ注目していただきたい。