「クリーン三木」も党内を支配する椎名の「永田町の論理」には勝てなかった(ともに時事)

「クリーン三木」も党内を支配する椎名の「永田町の論理」には勝てなかった(ともに時事)

 そのうえで伊藤氏は、きたる総選挙とその後の政局では、菅政権の党内基盤の弱さが不測の事態を招きかねないと指摘する。

「菅政権を支えているのは二階派です。二階幹事長は菅政権の生みの親ですが、だからといって体を張って政権を守るとは思えません。二階さんは政局を見ながら変幻自在に動くタイプの政治家ですから。

 二人を見ていて思い出すのは、三木武夫・首相と椎名悦三郎・副総裁の関係です。田中内閣が金権批判で退陣した時、椎名は総裁選をせずに、いわゆる『椎名裁定』で三木を総理に指名します。ところがその後、三木の党改革や政治資金改革に対する反発から党内で『三木おろし』が起こると、椎名はそれに同調した。そして有名な、『生みの親だが育てると言ったことはない』という言葉を残しました。菅総理と二階幹事長は、なんとなく三木と椎名のような関係になる気がします」

 三木首相はその後、総選挙に敗北して政権を失った。菅氏もそうした運命をたどるのか、今後の政局から目が離せない。『週刊ポスト』(2021年1月4日発売号)では、最新情勢を分析して総選挙の全議席予測を公開している。そちらもぜひご覧いただきたい。

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