後悔したくないという一心から、大島さんが望むことは、どんな小さなことでも優先してサポートした。晩年、体調が優れず、言葉がしゃべれなくなっても、大学の同窓会へ行きたいといえば知人の助けも借りながら京都へ行った。記念写真には、ご機嫌にピースサインをする大島さんの姿が残されている。
「結婚生活の3分の1を占めた介護を最後までやりきったし、念願の金婚式もできたので、“これをやっておけばよかった”という後悔はまったくありません。亡くなった後の事務的な手続きは息子たちがやってくれたので、それは助かりました。亡くなって8年経ちますが、持ち物の整理はいまもやっています。床から天井まで、壁一面の本棚に資料がいっぱいで、どこかに寄贈しようかと考えています」
介護を終えた小山の現在の日課は、毎朝、大島さんの写真と位牌に手を合わせて、毎日の出来事を報告することだという。
写真提供/小山明子
※女性セブン2021年1月21日号