室井さんは、おかかたちのリーダー・清んさのおばばという強烈なキャラクターを熱演
室井:生意気な人のことを「こわくさい」と言うのよね。
柴田:それに「カチ」が付くと最上級(笑い)。
室井:「こわくさい」も裏のおばあさんの言葉ですが、いまも若干ああいうかたはいらっしゃいますよ。直に会うとうわぁと思うけれど、おばばみたいな人は根がやさしい。言葉はきつくても、ハートが温かくて人のために涙を流したりもして。そこが信用につながるんじゃないのかな。
本木:そうかもしれませんね。一方でとみが放った、「食えんにゃゴトむけ」も強烈でしたねぇ。ぼくは初めて耳にする富山弁でした。
柴田:「ゴトむけ」は死んでしまえという意味で、子供の頃にばあちゃんたちが言ってましたよ。
室井:言ってた、言ってた。憎々しい相手に面と向かって(笑い)。ゴトむけの由来は何なんだろう。
本木:目を剥いてひっくり返る、というようなことらしいです。同じ意味で、うちのじいちゃんはプロレスの悪役が出てくると、猪木に「カチ殺せぇ〜」と叫んでいましたよ。ブッチャーとかタイガー・ジェット・シンに(笑い)。
柴田:そこにも最上級の「カチ」を忘れないでつけるんだ(笑い)。
本木:富山的な感覚というか(笑い)。
室井:会話の中でちょいちょい、言葉を強調しがちなところがある。
柴田:ほかにも、ダラ(=ばか)の最上級として「ダラぶつ」とか。
室井&本木:言ってた、言ってた。
本木:こういう話を堂々と話せる時代になってよかったです。かつては上京して上野駅へ降り立ったら、富山弁を封印していましたからね。
室井:私も東京で最初は使わなかった。大学に入った頃はちょっとかわいかったし(笑い)。でもね、標準語をしゃべっているつもりなのに無意識に富山弁が出ちゃうのよ。デパートで気取って「これ、まつけてください」と言ったら、「は?」とか言われちゃって全然通じないとか。包んでくださいという意味なんだけどね。そういうのよくあったなぁ。
柴田:私も封印しようと思っていたのに上京して大学の演劇部に入ったら、現れたのが富山東高校の男の子2人。こりゃあ全然ダメだわと思って、私は富山弁を解放しました。