芸能

柏木由紀子 夫・坂本九に「死ぬ前に聞いておきたかったこと」

夫に代わり「家族のリーダー」として奮闘してきた柏木(写真/本人提供)

夫・坂本九さんに代わり「家族のリーダー」として奮闘してきた柏木(写真/本人提供)

 厚労省の調査によると、日本人は年を追うごとに男女とも長生きになっているが、男女間の寿命差は年々開いている。これは今後、自分より先に夫を亡くす妻が増えていく可能性を表し、妻が夫を亡くしてから過ごす時間も長くなることを予測させる。そのとき、妻が直面するのは遺産相続や遺品の整理、経済的な不安だけではなく、最愛の伴侶を失った悲しみや、癒えない喪失感など精神的な負担も大きい。

 ただ、愛する伴侶との別れは、必ずしも段階を追うわけではない。幸せだった家庭に突然の悲劇が訪れることもある。1985年8月12日夜、自宅で入浴していた当時38才だった柏木由紀子(73才)に、長女が大声でこう叫んだ。

「ママー!! レーダーから消えたって。日本航空の飛行機が行方不明だって!」

 乗客乗員520名が死亡し、4名が重傷を負った日本航空機墜落事故。柏木の夫で歌手の坂本九さん(1985年8月逝去、享年43)も、乗客の1人だった。あの日から、柏木の人生は大きく変わった。

「やはり突然の出来事でしたので……。健康にすごく気をつけている人で、亡くなるなんてまったく想像していなかった。うちは夫を中心にみんなが寄りかかっていたので、事故の後は本当に大変でした」(柏木・以下同)

 柏木がドラマの撮影所で出会った坂本さんと結婚したのは23才の頃。やがて生まれた2人の娘を坂本さんは溺愛し、当時としては珍しい「イクメン」として熱心に子育てに励んだ。幸せにあふれた結婚生活の14年目。残酷な悲報に、残された家族は打ちひしがれた。

「絶望だけがあって、努力で乗り越えられる次元ではありませんでした。それでも主人と親しかった黒柳徹子さんやスタッフ、姉の家族などたくさんの人に支えられて、無我夢中で頑張ってこれた。毎日必死でしたが、本当に落ち着いたのは、七回忌が終わったくらいの時期でした」

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