国際情報

中国各地で大規模停電相次ぐ 豪州産石炭の輸入中止が原因か

オーストラリアへの経済的報復が仇に?

オーストラリアへの経済的報復が仇に?

 中国上海市では1月6日夜から7日の夜にかけて、複数の地区で停電が発生した。ネット上では「氷点下7度、停電」、「耐えられない」、「凍死しそうだ。なんとして!」などとの書き込みが相次ぎ、厳寒のさなかの停電に悲鳴が上がっていた。中国では昨年12月下旬に広東省や湖南省、江西省、陝西省など、上海以外でも停電が相次いでいた。

 中国は関係が悪化しているオーストラリアへの経済的報復として、豪州の主要な対中輸出品である石炭の輸入を中止しており、火力発電所用の石炭が不足していることが中国各地での突然の停電の原因とみられている。ネット上では「天に唾するのと同じ」「われわれは中国指導部のつたない外交政策の犠牲者だ」などとの声が出ている。上海市「新民晩報」が報じた。

 上海では1月7日午後9時現在で1日の最大電力消費量は3339万キロワットで、昨年夏のピーク時の3311万キロワットを超えて過去最高を記録した。これは昨年12月から今年初めてにかけて例年にないほどの強い寒気が発達したためであり、暖房設備が短時間に集中的に使用された結果、一部の地域で電力消費量が急激に増加。供給不能となって、停電が発生した。

 6日に停電が発生したのは市内全域の2855カ所で、上海電力の従業員ら3000人以上が出動し、修理に当たった。さらに、翌7日には前日の1.6倍の4569カ所で停電が発生し、6853人が動員されという。

 ネット上では「19時35分に停電し、22時にようやく復旧した」「上海はマイナス7度だ。このままでは凍死する。エアコンが作動しないと耐えられない」との窮状を訴えるものから、「上海市民は夜間の停電を歓迎する。エネルギーを節約し、国家に貢献するのだ」などとのユーモアを交えた書き込みまであった。

 これに先立つ12月下旬には、湖南省や江西省などで夜間の電力使用制限措置が発令されている。中国でこのような電力使用制限措置がとられたのは、この20年間では例がない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
韓国・漢拏山国立公園を訪れいてた中黒人観光客のマナーに批判が殺到した(漢拏山国立公園のHPより)
《スタバで焼酎&チキンも物議》中国人観光客が韓国の世界遺産で排泄行為…“衝撃の写真”が拡散 専門家は衛生文化の影響を指摘「IKEAのゴミ箱でする姿も見ました」
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン