桑田真澄氏(52)が巨人軍の「投手チーフコーチ補佐」に就任した。桑田氏の加入はコーチ間にも緊張感をもたらすことが予想される。
セ・リーグでは公式戦でベンチ入りできるコーチは8人までと決められている。投手担当では宮本和知チーフコーチ(56)と杉内俊哉コーチ(40)がベンチ入りすると見られ、現状では桑田氏は“ベンチ外”が濃厚だ。
「とはいえ選手時代の実績、野球理論ともに桑田さんはコーチ陣の中で圧倒的。チームが低迷すればいつ入れ替えがあってもおかしくない。元木(大介)ヘッドコーチ(49)や、吉村禎章作戦コーチ(57)も安泰ではない。コーチ陣に危機感が生まれているはずです」(巨人番記者)
「左投手」「右投手」の違いに着目するのは、藤田元司監督時代、一軍投手コーチとして桑田を指導した中村稔氏だ。
「投手コーチは宮本・桑田・杉内の3人体制になったが、桑田以外の2人はサウスポー。サウスポーにはサウスポーにしかわからない感覚がある。右腕の桑田が左投手の指導に理論を振りかざしたらどうなるか。宮本もさすがにいい顔はしないでしょう」
また、今季で契約満了となる原監督の後継者と目されている二軍監督・阿部慎之助(41)との関係にも注目だという。野球評論家の江本孟紀氏がいう。
「原監督の桑田コーチ抜擢は、阿部への牽制という意味があると見ています。これまで阿部は次期監督“当確”と見られていたが“桑田もあり得る”となれば油断できない。世間にも桑田が監督なら納得という空気がある」
阿部は今オフにファームの全選手に筋トレ指令を出した。昨年3月、巨人の二軍が早大野球部に負けた際など、たびたび選手に罰走を課している。
「ダルビッシュにもツイッターで『古い野球だ』と指摘されていましたが、理論派の桑田さんとも合わないでしょうね。桑田さんは“一軍から三軍まで見てほしいと言われている”と巡回コーチの立場であることを認めており、指導方針で阿部とぶつかる可能性は十分あります」(前出・巨人担当記者)
桑田コーチが一軍の主力と合流するのは2月16日の沖縄キャンプから。それまでに菅野ら投手陣にはどんな「宿題」が課せられるのだろうか。
※週刊ポスト2021年2月5日号