ライフ

渋沢栄一フィーバーは東京・北区でも 赤羽に続いて王子も全国区に?

新紙幣に決まった当時、2019年の東京都北区・渋沢史料館(時事通信フォト)

新紙幣に決まった当時、2019年の東京都北区・渋沢史料館(時事通信フォト)

 東京都北区、と聞いても、何か頭に浮かぶイメージを持っている人は、あまりいないのではないか。そのことについて特に北区も不満はなさそうに見えていたのだが、2021年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』をきっかけに、日本の経済、文化、芸術の発展と深く関わってきたことへの認知を高めようとしている。ライターの小川裕夫氏が、埼玉県出身の渋沢栄一と北区との浅くない関わりと、それに期待する北区についてレポートする。

 * * *
 2月14日から放送が始まる2021年の大河ドラマ『青天を衝け』は、埼玉県の血洗島(現・深谷市)を出生地とする渋沢栄一が主人公だ。大河ドラマの制作が発表されると、渋沢が深谷市出身の偉人であるため、深谷市は大いに盛り上がることになった。大河ドラマだけではない、渋沢は2024年に改刷される新一万円札の顔になることも決定していている。日本中の人が渋沢栄一という人物に注目する大きなきっかけが、二度もやってくる。

 ダブルの祝報で、渋沢フィーバーが起きているのは深谷市だけではない。東京の北端に位置する北区も色めき立っている。

「これまでの北区は、区民の暮らしを充実させるために力を入れきたため、区外への情報発信に物足りない部分があったことは否めませんでした。これからは、区外にも北区をPRして、来街者を増やし、新たに移住者を取り込む必要があります。そうしたことから、北区は2017年に観光協会、そして昨年に区役所の一部署としてシティプロモーション課を発足させました」と話すのは北区政策経営部シティプロモーション推進担当課の担当者だ。

 北区は京浜東北線や埼京線、湘南新宿ラインなどが発着する赤羽駅を擁する。JRの駅から少し離れているが、東京メトロ南北線の赤羽岩渕駅もある。また、バスターミナルも併設しており、とにかく交通ネットワークは充実している。そのため、赤羽駅は北区民のみならず隣接する板橋区や荒川区、足立区、そして埼玉県民などの利用も旺盛で、東京の北の要衝駅として存在感を発揮している。

 近年は、千円で酔っ払える酒場“せんべろ”ブームで赤羽の立ち飲み屋が人気を博し、マンガ『東京都北区赤羽』で人気になっている漫画家・清野とおる氏と女優の壇蜜さんが結婚するといったトピックも重なったことで赤羽には追い風が吹く。

 一方、区役所などが立地する北区の中心地・王子の存在感は高まっているとは言い難い。王子駅もJR京浜東北線をはじめ東京メトロ南北線、都電荒川線などが走っている。バスターミナルも充実しており、交通面なら赤羽に劣ることはない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

協会との関係は続く?(時事通信フォト)
《協会とケンカ別れするわけにはいかない》退職した白鵬が名古屋場所で快進撃の元弟子・草野に連日ボイスメッセージを送ったワケ
週刊ポスト
「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ノックでも観客を沸かせた長嶋茂雄氏(写真/AFLO)
《巨人V9の真実》王貞治氏、広岡達朗氏、堀内恒夫氏ら元同僚が証言する“長嶋茂雄の勇姿”「チームの叱られ役だった」
週刊ポスト
現場となったマンホール
【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず
女性セブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン
「最高の総理」ランキング1位に選ばれた吉田茂氏(時事通信フォト)
《戦後80年》政治家・官僚・評論家が選ぶ「最高の総理」「最低の総理」ランキング 圧倒的に評価が高かったのは吉田茂氏、2位は田中角栄氏
週刊ポスト
スーパー「ライフ」製品が回収の騒動に発展(左は「ライフ」ホームページより、みぎはSNSより)
《全店舗で販売中止》「カビだらけで絶句…」スーパー「ライフ」自社ブランドのレトルトご飯「開封動画」が物議、本社が回答「念のため当該商品の販売を中止し、撤去いたしました」
NEWSポストセブン