「勝負の○○」という意識づけにも慣れてしまった
新型コロナの感染が拡大しているときに、政府や都道府県等は正念場の時期を「勝負」という言葉を使って表してきた。
昨年3月に北海道で感染が拡大した際には、記者会見で鈴木直道知事が「今1、2週間が勝負であるという状況」と述べて、拡大防止取り組みへの道民の意識を高めた。その効果のほどを数字で示すことは困難だが、人々の意識向上にプラスの影響をもたらしたことは間違いないだろう。
秋から冬になるに従い首都圏や関西圏などで感染拡大が進む中、11月25日、政府は「勝負の3週間」として、感染対策を短期間で集中的に行うことを国民に呼びかけた。だが、感染拡大が収束に向かうことはなかった。
12月の下旬には、東京都で新型コロナの影響により医療現場が逼迫していることを受けて、東京都医師会が年末年始を「真剣勝負の3週間」として、感染を減らす行動を求めた。しかし、大晦日に都の新規感染者数が初めて1000人を超えるなど、感染は急速に拡大していった。
人々は、「勝負の○○」といった言い回しにも、慣れてきてしまったのかもしれない。