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田中裕二のくも膜下出血との関係は コロナ回復後の「血栓」リスク

コロナ感染が血管へどう影響?(写真は田中裕二、共同通信社)

コロナ感染が血管へどう影響?(写真は田中裕二、共同通信社)

 1月下旬、お笑いコンビ・爆笑問題の田中裕二(56)がくも膜下出血(前大脳動脈解離)及び脳梗塞で深夜に救急搬送されたことが大きなニュースとなった。

 幸い、田中の病状はその後安定していると報じられているが、一歩間違えれば命を落とす危険もあった。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師が語る。

「くも膜下出血は血管が脆弱になっている場合に起こる可能性がある病気です。脳に栄養を与える主要な血管の一つが裂けてしまった状態で、裂傷が大きいと死に至る可能性がある」

 田中は昨年8月末に新型コロナウイルスに感染・入院していた。国際医療福祉大学病院予防医学センター教授の一石英一郎医師は「コロナ後遺症」の可能性を指摘する。

「新型コロナ感染で脳への血管が脆くなったことで出血、あるいは詰まった可能性がある。海外では新型コロナ後遺症のことを『ディレイド・パンデミック(遅延性の世界的流行)』と表現することもあり、入院中の症状よりも回復後の後遺症のほうが大きな問題になりつつある。回復後に重篤な合併症を発症するケースが増えるかもしれません」

 重篤な後遺症の原因として、新型コロナ感染によって「血栓」ができやすくなる可能性が指摘されている。

 昨年12月の厚生労働省の研究班や日本血栓止血学会などの調査チームの発表によると、「人工呼吸器・ECMOで治療中の重症患者」382例のうち、13.2%が血栓症を発症していた。人工呼吸器に移行前や外れた後の回復期の症例を含めると重症者の2割近くに達するという指摘もあり、感染時の症状が重い人ほど血栓ができやすいとされる。

 前出の上医師が言う。

「血栓ができると脳梗塞や心筋梗塞に繋がりやすいだけでなく、腎不全や肝機能障害などその影響は全身に及びます」

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