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山村美智が胸中明かす 36年半連れ添った夫との「コロナ禍の別れ」

ときに涙を浮かべながらも、丁寧に言葉を選んで思い出を語ってくれた

ときに涙を浮かべながらも、丁寧に言葉を選んで思い出を語ってくれた(撮影/平林直己)

 長年ともに過ごしたパートナーを失ったとき、あなたの胸に浮かぶ思いはどんな感情だろう。いろいろな時間、景色、食事、文化を共有した相手がいなくなり、“自分の半分がいなくなってしまったような感覚”と語ったのは、元フジテレビアナウンサーの山村美智さん(64才)。ドラマ界でカリスマプロデューサーとして知られた夫の宅間秋史さんが昨年12月に他界して1か月。山村さんのいまの胸中を放送作家でコラムニストの山田美保子さんが迫った。

「食道がん」という突然の告知 最後の入院は厳戒態勢のコロナ禍で

『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)の“初代ひょうきんアナウンサー”として人気を博し、退社後は女優として多くのドラマやミュージカルに出演。2020年10月期には『女性セブン』読者には特におなじみのドラマ『恋する母たち』(TBS系)で、木村佳乃サン演じる石渡杏のパート先『高根不動産』の高根豊子を好演した山村美智(旧名・美智子)サンは、昨年12月18日22時44分、36年半、連れ添った最愛の夫・宅間秋史さん(享年65)を看取った。

「夫が病院で食道がんだと告知を受けたのが2019年の7月。10月1日に手術をして、それから12回も入退院を繰り返しました。夫は本当にポジティブで明るくて、常にユーモアを忘れない、『恋する母たち』でいうと、阿部サダヲさんが演じた(今昔亭)丸太郎さんみたいな人だったんですよ。病院のお医者様相手に『もう映画の企画、5本できましたよ』と自慢していましたし、私も『そうだよ、これからが人生なんだよ』って声をかけていました。本当にそう思っていたし、そう信じていたので。

 2020年の8月には夫婦で御殿場に避暑にも行けていたんです。でもそこで高熱を出してしまって慌てて東京に戻って緊急入院。肺炎でした。これが、110日にもなった13回目の……最後の入院となってしまいました。肺炎が悪化して、がんが気管まわりにも広がって。誤嚥性肺炎を起こさないように“腸瘻”といって、腸に穴を開けて栄養を入れていただくんですが、その後から急に悪くなってしまいましたね。気管を切開して、人工呼吸器にもなり、ICUと、その後一般病棟寄りのHCUにいたのですが、まったく面会ができませんでした」

 ご存じのように、コロナ禍ではほかの病気で入院中であっても家族は自由な面会や付き添いが叶わない。

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