国内

コロナの戦犯議員を退場させるには「落選運動」しかない

議員の愚行は選挙の日まで忘れてはいけない(銀座豪遊を謝罪する松本純氏ら=時事)

議員の愚行は選挙の日まで忘れてはいけない(銀座豪遊を謝罪する松本純氏ら=時事)

 コロナ禍の国会を見ていると、日本の政治家はつくづく有権者をナメまくっているなあ、と感じる。選挙で並べ立てた聞こえのいい公約をさっさと忘れていることはもちろんだが、国民が命や生活、職を失いかねない国難にあって、自分たちだけ銀座のクラブではしご酒を楽しんだ3人の自民党議員たちは今ものうのうと議員バッジをつけているし、カネで票を買ったという判決が確定してようやく議員辞職した河井案里氏は、逮捕から辞職するまでの議員歳費とボーナスで2000万円以上を手にした。河井氏の場合、逮捕以降は保釈されても国会にも顔を見せずに籠城していたが、政治活動の必要経費に当たる「文書通信交通滞在費」も毎月100万円受け取っていた。

 スキャンダル議員だけではない。専門家がコロナ蔓延を危惧して反対していたGo Toキャンペーンを推進して第3波を招いたのは、ほかならぬ菅義偉・首相と二階俊博・自民党幹事長である。その子分たちもこぞってGo Toを礼賛し、地元の後援企業などに税金をバラ撒き続けた。そのために使われた何兆円ものカネを正しく医療体制整備や医療者への支援に回していれば、今のような医療崩壊はなかっただろう。それでもなお、先日成立した第三次補正予算には、約1兆円のGo To予算を潜り込ませているのである。

 どうせ有権者は予算の細かい中身なんか見ていない、国会中継も見ていないだろう、公約なんか忘れてるよ、スキャンダルだってすぐに忘れてくれるさ――そういう魂胆が透けて見えるのが腹立たしいが、事実、選挙をするとそういう議員たちが楽々と再選されて再び国会の赤じゅうたんを踏んでいるのだから、これは国民の側も反省が必要かもしれない。

『週刊ポスト』(2月15日発売号)では、コロナ戦犯議員たちを退場させる「落選運動」を提唱している(同誌の人気企画だ)。どの議員が何をし、何を言ったのか正しく記録し、選挙で審判を下すことは政治を正す第一歩になる。政治家の良心や、選挙の時だけの美辞麗句を信用するから騙されるのなら、有権者は「落とすべき議員」をしっかり覚えておくしかない。落選運動の方法と注意点について、神戸学院大学法学部の上脇博之・教授に聞いた。

「『選挙運動』は公職選挙法で選挙運動期間しかできないことになっています。具体的には立候補の届け出から投票前日まで。事前運動は禁止です。しかし、落選運動はその縛りを受けません。選挙運動とは、特定の選挙でAという候補者を当選させようという活動です。『次の選挙でB候補を落選させよう』という活動は選挙運動ではありませんから、いつでもできるのです」

関連キーワード

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン