国内

田原総一朗氏提言「田中角栄ならコロナ対策の全責任を背負った」

田中角栄氏と今の政治家にどんな違いが?(写真/共同通信社)

田中角栄氏と今の政治家にどんな違いが?(写真/共同通信社)

 停滞感や閉塞感が漂っている今の日本に、もしも昭和を代表する政治家・田中角栄氏がいたら、このコロナ禍をどう乗り切っただろうか──。ジャーナリストの田原総一朗氏が、過去の歴史から現状を打破するヒントを提言する。

 * * *
 田中角栄の真骨頂は、「責任は俺が持つ」と担当者に完全に任せて、全力で対処させる器量、度量があるということでしょう。

 1962年に池田勇人内閣で大蔵大臣に就任した際、大蔵官僚への挨拶で、

「できることはやる。できないことはやらない。しかし、すべての責任はこの田中角栄が背負う。以上!」

 と言い切った。コロナ禍でも田中角栄は、同様の姿勢で臨むでしょう。

 菅総理はワクチン対応で河野太郎を責任者に据えました。本来なら田村憲久・厚労相や西村康稔・コロナ対策担当相が扱うものです。河野の起用が悪いわけではないが、田村、西村に加えて河野を入れれば、人数が多すぎて責任が分散してしまう。

 今すべきは、新型コロナ対策の「司令塔」を任命して、その一人に任せることです。そして「すべての責任はこの菅義偉が背負う」と言い切る。菅総理にその器量があるでしょうか。

 田中角栄の構想力があれば、コロナ対策も変わっていたでしょう。

 1968年に田中は自民党都市政策調査会長として「都市政策大綱」を取りまとめた。この大綱は、後の『日本列島改造論』の元となる構想です。大綱のエッセンスを分かりやすくまとめたのが列島改造論でした。

 この大綱を出した背景には、当時の社会問題と、政局がありました。きっかけは、都知事選で社会党、共産党が推薦した美濃部亮吉が当選し、その後には名古屋や大阪でも革新が勝った。この状況に田中は危機感を持ちました。

 大衆が革新を支持するのは、太平洋側の都市の工業化が進み、過密や公害が問題になった。一方で日本海側は過疎化が進む。どちらも不満がたまっていったのです。では、どうするか。その答えを示したのが都市政策大綱でした。

関連キーワード

関連記事

トピックス

三原じゅん子氏に浮上した暴力団関係者との交遊疑惑(写真/共同通信社)
《党内からも退陣要求噴出》窮地の石破首相が恐れる閣僚スキャンダル 三原じゅん子・こども政策担当相に暴力団関係者との“交遊疑惑”発覚
週刊ポスト
解散を発表したTOKIO(HPより)
「城島さん、松岡さんと協力関係は続けていきたいと思います」福島県庁「TOKIO課」担当者が明かした“現状”と届いたエール
NEWSポストセブン
山本アナは2016年にTBSに入局。現在は『報道特集』のメインキャスターを務める(TBSホームページより)
【「報道特集」での発言を直撃取材】TBS山本恵里伽アナが見せた“異変” 記者の間では「神対応の人」と話題
NEWSポストセブン
映画『国宝』で梨園の妻を演じた寺島しのぶ(52)
《無言の再投稿》寺島しのぶ、SNSで2回シェアした「画像」に込められた歌舞伎役者である息子・尾上眞秀への“覚悟”
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
吉沢亮演じる喜久雄と横浜流星演じる俊介が剣幕な表情で向かい合うシーンも…(インスタグラムより)
“憑依型俳優”吉沢亮主演の映画『国宝』が大ヒット、噂される新たな「オファー」とは《乗り越えた泥酔事件》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
元横綱・白鵬の宮城野親方に相撲協会はどう動くか(八角理事長/時事通信フォト)
八角理事長体制の相撲協会に「70歳定年制」導入の動き 年寄名跡は「105」しかないため人件費増にはならない特殊事情 一方で現役力士が協会に残ることが困難になる懸念も
NEWSポストセブン
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 三原じゅん子「暴力団ゴルフコンペ」写真ほか
「週刊ポスト」本日発売! 三原じゅん子「暴力団ゴルフコンペ」写真ほか
NEWSポストセブン