(3)コロナ前から需要が減少しつつあった「職種」

 先に紹介したデータで求人が最も大きく減少していた「事務的職業」は、かねて求人倍率が低い職種だった。2019年の有効求人倍率の平均は0.5。求職者2人に対して求人は1件しかない比率である。2020年の平均はさらに下がり0.39となっている。

「事務的職業」は求職者からの人気が高い一方で、需要自体は減少すると言われてきた。技術革新でAIなどロボットによる業務自動化が進むと話題になり、事務的職業の多くのポジションがロボットに切り替わる可能性が指摘されていたからだ。

 そもそもAIとまでは行かなくとも、すでにあらゆる場面で自動化の動きは具体化している。分かりやすい例の一つが受付だ。かつては受付に社員が常駐している企業が多かったが、今では珍しくなった。多くは受付用内線電話やタッチパネルなどに置き換わっている。

少子化で労働者の希少価値はアップ

 コロナがいつ終息するのかはっきりしない以上、求人が一気に回復するという期待を持つのは厳しい。また、コロナ前から存在している求人減少要因もある。コロナ前の有効求人倍率は高い水準にあったものの、すでに景気後退局面に入っていることが指摘されており、有効求人倍率も徐々に下降し始めていた。

 しかし現在、データ上はじわじわと求人数が回復しつつあることも事実だ。

 見過ごしてはならない根本的な事情として人口減少がある。日本の人口は10年以上前から減少している。また、15~64歳までの生産年齢人口にいたっては20年以上も前から減少し続けている。

 理由は少子化だ。いま年々出生数が減少していることも含めると、労働者の成り手自体の母数が向こう数十年減少し続けることはすでに確定した未来となっている。言い換えると、労働者自体の希少価値が上昇する土壌が形成されているということだ。

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン