国際情報

トランプ氏「Twitter決別宣言」と「娘2人を上院議員に」

ララ・トランプ氏の出馬が現実味(AFP=時事)

ララ・トランプ氏の出馬が現実味(AFP=時事)

 すでにリポートしたように、トランプ前大統領は新しい保守メディア「トランプ・チャンネル」の設立に動き出した。トランプ氏が買収するのではないかと噂されている、アメリカでも最も右寄りのウェブサイトであるNewsmaxが運営するネットテレビに、なんとトランプ氏自身が出演した。

 電話インタビューの形だったが、インタビュアーを務めたアンカーマンは、およそジャーナリズムの作法を持っておらず、まるでトランプ支持者集会の司会者のようだった。ウェブだから放送倫理規程などには触れないのかもしれないが、これを「ニュース」と呼ぶのはあまりにも無理があると感じた。

 トランプ氏のいつもの嘘や誇大な話はともかく、注目すべき発言としては、今後の情報発信についての話があった。同氏は新しいデジタル・プラットフォームを作る、今後はTwitterを使った発信はしないと明言した(トランプ氏のTwitterアカウントは永久停止されている)。それをNewsmaxで語ったことで、ますます同社を買収する可能性が高まっていると印象づけた。

 もうひとつ目立ったのは、このところトランプ氏の最大の攻撃対象になっているミッチ・マコーネル共和党上院院内総務を口を極めて批判したことだ。マコーネル氏は弾劾裁判で無罪票を投じたが、その後の演説では、トランプ氏が連邦議会議事堂への暴徒乱入を扇動したとし、同氏の言動は間違いであると断定した。そのうえで、「公職を退いた人間を弾劾することはできない」として、自らの行動への理解を求めたのである。共和党の重鎮のなかには、マコーネル氏と同様にトランプ氏と袂を分かつ動きが見られる。それは今後の選挙戦略も考えているだろうし、共和党の始祖であるエイブラハム・リンカーンの功績に泥を塗るわけにはいかないという思いもあるかもしれない。そんなことをすれば、トランプ氏とともに政治家として後世まで不名誉な名を残すことになる。

 一方で、今もトランプ氏を支持する共和党議員も多い。トランプ氏の戦略は、メディア設立によって影響力を残しつつ、共和党への締め付けを強めていくことだ。まず手始めに、次男エリック・トランプ氏のララ夫人を上院に送り込もうとしているようだ。一部メディアがすでに報じているが、ララ・トランプ氏は2022年の上院選に地元ノースカロライナ州から出馬すると見られている。同州の現職は共和党のリチャード・バー上院議員だが、バー氏は弾劾裁判で有罪票を投じた7人の造反組の一人である。トランプ派の筆頭であるリンゼー・グラム上院議員は、「ララ氏が共和党候補の最有力だ」と明言した。

関連記事

トピックス

打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン