女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏が言う。
「2人とも帰国子女で、同じTBSアナウンススクールに通うなど、共通するところが多い。ただし、キャラクターはかなり違います。初等部から青学の小川さんは、スペイン留学をしたり、学科の学業奨励賞を受賞するなどエリート街道を歩んだ。一方、大学から青学に入った田中さんは準ミス青学になり、短編映画に出演するなどタレント活動をしていた。タイプは違いますが、注目を集めていた先輩の小川さんを田中さんが意識していたように思います」
自身も初等部から青学に通った放送作家の山田美保子氏はこう語る。
「在学中から小川さんは知名度も高かったようですが、田中さんもTBSに内定した頃には、青学の広報誌『チャイムズ』のグラビアを飾り、青学のシンボル的存在だったことがうかがえます。その時は黒のシックなパンツスーツを着ていて大人っぽい雰囲気でした」
2人が通ったアナウンススクールで講師を務めていた元TBSアナの吉川美代子氏はテレビ番組で、当時の小川アナについて「そこだけにスポットライトが当たってるみたいに圧倒的な存在感」と語り、田中は「真面目で頑張り屋さん」と評価していた。
「あざとさ」と「運の良さ」
小川アナの後を追うようにテレビ局に就職した田中だが、局アナとしての方向性は真逆だった。
「小川さんはテレ朝入社1年目から報道・政治討論番組『サンデープロジェクト』に抜擢され、『報道ステーション』のサブキャスターを7年半務めるなど報道畑を歩みます。田中さんは制作側の期待に応えて“ぶりっ子キャラ”を確立しますが、本来のアナウンス能力の高さを活かせる番組や、希望していた帯番組からは遠ざかります」(丸山氏)
入社から5年経った2014年、田中はTBSを退社、フリーになる。
2019年に結婚と同時にテレ朝を退社した小川アナは、わずか2か月後に他局のライバル番組『news23』のキャスターとして迎えられる。
そこからは、2人を照らすスポットライトの明暗がガラリと変わる。
「田中さんは女性誌で露出を増やし、ドラマでは“怪演”で話題を集め、“ぶりっ子”を封印して“あざとさ”を語る。フリーになってから時間はかかりましたが、“女性に嫌われる”キャラを見事に払拭し、多くの女性ファンを獲得。これは本当に努力の賜物であり、ようやく長い冬を経て訪れた春でしょう」(山田氏)