スポーツ

武豊の2020年全667レースを検証「逃げると負けない」は本当か

名騎手と逃げ馬について考察

名騎手と逃げ馬について考察

 誰もが夢見るものの、なかなか現実にならない“夢の馬券生活”。競馬を題材とした作品も手掛け、「JRA重賞年鑑」にも毎年執筆する作家・須藤靖貴氏が、名騎手は逃げ馬でも勝つものなのか、についてお届けする。

 * * *
 ハクション! スギ花粉飛散の季節だ。時節柄、電車内などで飛び出すとジロリと睨まれてしまう。他人のそれも気になる。外歩きも要注意で、前を行く人がくしゃみをすれば急に進路を変えたくなる。人込みでは先に行こうと速足になる。とにかく前へ。気分は逃げ馬だ。

 さて、減量騎手の逃げ率のデータなどを取ってみてきたわけだが、そのへん、勝率芳しきベテラン勢はどうなのか。

「武豊が逃げると、ほぼ負けない」なる都市伝説もある。都市伝説ってのは根拠曖昧なる口承、鵜呑みにしてはいかんのです。ならばきちんと調べなきゃ。で、データを振り返ってみた。

 逃げ先行の定義は1角通過3番手以内とした。2020年、武豊の全667レース。うち217回は逃げ先行、その率は実に.325(!)。減量騎手の逃げ頭・秋山稔の.297を上回っている。レジェンド、積極果敢である。やはりまあ、スタートで前に付けることが大事なんでしょうね。

 逃げたときの1着53回、勝率.244(トータルの勝率.172)。連対率は.438(.327)、3着内率は.530(.417)と、逃げれば率も上がる。特にハナを切った場合は勝率3割超えだった。

 ただでさえあっぱれな手綱さばきが、逃げることで凄みを増す。この都市伝説、◎である。ちなみに「ユタカさんが逃げたら、後続は諦めちゃう」こそが根拠皆無。そんな腰の抜けたメンタル、騎手にあるはずもない。

 もう一人、リーディング上位常連の川田(将雅)はどうか。「川田の逃げに一杯なし」(競馬記者友人の説)。逃げてもしっかりと脚をためて直線で馬が余力十分、というわけである。2020年の最高勝率(通算4回目)を誇る剛腕、勝ち鞍は多いわけだが、実際はどんなもんなのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
2000年代からテレビや雑誌の辛口ファッションチェックで広く知られるようになったドン小西さん
《今夏の再婚を告白》デザイナー・ドン小西さんが選んだお相手は元妻「今年70になります」「やっぱり中身だなあ」
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「王子と寝ろ」突然のバス事故で“余命4日”ののち命を絶った女性…告発していた“エプスタイン事件”【11歳を含む未成年者250名以上が被害に】
NEWSポストセブン
人気シンガーソングライターの優里(優里の公式HPより)
《音にクレームが》歌手・優里に“ご近所トラブル”「リフォーム後に騒音が…」本人が直撃に語った真相「音を気にかけてはいるんですけど」
NEWSポストセブン
ナンバープレートを折り曲げ集団走行する「旧車會」=[福岡県警提供](時事通信フォト)
《各地で増える”暴走”》駐車場を勝手に旧車會の集合場所とされた飲食店主「100台以上も…他のお客さんが入って来られん」と怒り
NEWSポストセブン
世界中を旅するロリィタモデルの夕霧わかなさん。身長は133センチ
「毎朝起きると服が血まみれに…」身長133センチのロリィタモデル・夕霧わかな(25)が明かした“アトピーの苦悩”、「両親は可哀想と写真を残していない」オシャレを諦めた過去
NEWSポストセブン
キャンパスライフをスタートされた悠仁さま
《5000字超えの意見書が…》悠仁さまが通う筑波大で警備強化、出入り口封鎖も 一般学生からは「厳しすぎて不便」との声
週刊ポスト
事実上の戦力外となった前田健太(時事通信フォト)
《あなたとの旅はエキサイティングだった》戦力外の前田健太投手、元女性アナの年上妻と別居生活 すでに帰国の「惜別SNS英文」の意味深
NEWSポストセブン
エライザちゃんと両親。Facebookには「どうか、みんな、ベイビーを強く抱きしめ、側から離れないでくれ。この悲しみは耐えられない」と綴っている(SNSより)
「この悲しみは耐えられない」生後7か月の赤ちゃんを愛犬・ピットブルが咬殺 議論を呼ぶ“スイッチが入ると相手が死ぬまで離さない”危険性【米国で悲劇、国内の規制は?】
NEWSポストセブン
1992年にデビューし、アイドルグループ「みるく」のメンバーとして活躍したそめやゆきこさん
《熱湯風呂に9回入湯》元アイドル・そめやゆきこ「初海外の現地でセクシー写真集を撮ると言われて…」両親に勘当され抱え続けた“トラウマ”の過去
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン