ビジネス

”資本主義の父”渋沢栄一が「生みの苦しみ」を味わった意外な有名企業

500社以上もの企業設立に関わった渋沢栄一(時事通信フォト)

500社以上もの企業設立に関わった渋沢栄一(時事通信フォト)

“資本主義の父”と呼ばれる渋沢栄一は、現みずほ銀行やJRグループなど500社以上にも及ぶ企業の設立・運営に関わり、今もその6割が企業活動を続けている。だが、決して順風満帆の船出とはいかない企業も多かったという。偉人研究家の真山知幸氏が、渋沢が“生みの苦しみ”を味わった有名企業を紹介する。

 * * *
 現在放送中のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の視聴率が好調だ。スポットライトが当たっているのは、2024年から新たに一万円札の顔となる、渋沢栄一である。

 渋沢は1873(明治6)年、日本初の銀行として、第一国立銀行を設立したのを皮切りに、様々な会社の設立に携わった。その数は、実に500社以上にも及ぶ。

 言うまでもなく、どんな会社も立ち上げには、幾多の困難を伴う。なにしろ「株式会社」がまだ浸透していない時代である。今でこそ、1万人、2万人といった社員を抱える、名だたる大企業も、生まれしときは難産であった。

「資本主義の父」と呼ばれる渋沢だが、多くの会社の誕生に立ち会った産婆役を果たしたともいえるだろう。そのなかから、今回は大手2社の誕生秘話をお届けする。

 渋沢栄一といえば、日本初の銀行設立など、成功例が語られがちだが、うまくいった例ばかりではない。渋沢は幕末、一橋家の家臣としてパリに随行。道中のエジプトやパリで初めて鉄道に乗車し、その便利さに衝撃を受けた。そんな経験から、渋沢は鉄道事業にも多く携わることになるが、最初の鉄道経営は実現に至らなかった。

 その代わりに渋沢は、出資者の華族から「ほかに何か有望な新事業はないか」と相談されることになる。そこで渋沢が勧めたのが、海上保険だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
不倫騒動や事務所からの独立で世間の話題となった広末涼子(時事通信フォト)
《「子供たちのために…」に批判の声》広末涼子、復帰するも立ちはだかる「壁」 ”完全復活”のために今からでも遅くない「記者会見」を開く必要性
NEWSポストセブン
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト