(写真/時事通信社)

オリンピック・パラリンピック担当大臣に再任された丸川珠代氏(写真/時事通信社)

1964年東京五輪の5日前に生まれ、聖火から「聖子」と命名

 橋本聖子さんについても案の定、過去のネガティブな話題が取りざたされており、それがまた五輪に水を差すのではないかと心配する声も上がっています。

 一方で、「完璧な人間なんていない」「決定的なマイナスではない」とする声もあり、最後は、「やっぱり彼女はアスリートだから」というところで話が落ち着くのです。

 長年、彼女を取材してきたスポーツライター氏の多くが「これ以上ストイックな人はいない」と口を揃えています。夏季冬季大会合わせて7回も五輪に出場。2010年のバンクーバー大会で、女性初の選手団団長を務めた際は、「死ぬ気で頑張って死んだ人はいない」「人間力なくして競技力の向上なし」と檄を飛ばしたそうです。

 とはいえ、「オリンピックの申し子」ではなく、「オリンピックおたく」と揶揄されていた時代もありました。スピードスケート選手が夏場に自転車競技の選手との合同トレーニングを実施するのがポピュラーだったとはいえ、まさか自転車でもオリンピックを目指し、出場。そのせいで、代表からはじかれてしまった選手のお父様から恨み言が聞かれたこともありました。でも、橋本さんは、代表選手として、結果を出し続けてこられました。

 1964年の東京五輪の5日前に生まれ、「聖火」にちなんで「聖子」と命名された橋本さんは、自身のお子さんにも、シドニー大会の2000年生まれの娘さんに「せいか」、アテネ大会の2004年生まれの息子さんに「亘利翔(ギリシャ)」、トリノ大会の2006年生まれの息子さんに「朱李埜(トリノ)」と命名しています。

 とにもかくにも、橋本聖子さんが組織委員会の新会長になったからには、今度こそ「アスリートファースト」を実現してほしいものです。

 コロナの収束が開催するか否かの鍵を握っているのは確かとはいえ、目標を失いかけ、不安を抱えるアスリートのかたが大勢いらっしゃいます。そうしたかたがたに寄り添い、想いを吸い上げ、第一に考えていただきたい。本来なら、女だの男だの、若いだの年寄りだのなんてことは無関係であるべき。そうした当たり前のことが、多くのシーンで言われるようになりました。やっと揃った小池百合子さん、丸川珠代さん、橋本聖子さんに多くの女性たちが期待しています。腹をくくった女性は強いんです。

構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『バイキングMORE』(フジテレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。

※女性セブン2021年3月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン