高級車の助手席でにっこり
こうした中台世論の違いについて、中華圏事情に詳しいジャーナリストは話す。
「中国のファンは以前から夫の江さんのことを苦々しく思っていたんです。愛ちゃんは10歳でプロ宣言して以降、毎年1か月以上、中国遼寧省に卓球留学していました。15歳で五輪初出場を果たしたアテネ大会の翌年から、中国スーパーリーグに2シーズン参加するなど、中国とのゆかりは深い。テレビのインタビューなどでは中国東北部訛りの流暢な中国語を披露し、中国人民のハートをつかみ、『人民の妹』とも呼ばれたほど。
そんな愛ちゃんが2016年に台湾人の江と結婚したときの、中国人ファンの落胆ぶりは大きかったですからね。当時は、SNSに江さんを呪う声が殺到しました。結婚後も、愛ちゃんの中国語が台湾訛りになっていることに、嘆きの声が上がったこともあります」
一方、台湾で巻き起こった福原バッシングの背景についてはこう分析する。
「愛ちゃんと結婚後、江さんは『イノセントでやさしい夫』というタレントイメージを確立しています。昨年9月から放送されている全明星運動会(オールスター運動会)という高視聴率番組では、チームの監督役として高い好感度を獲得していて、今回の件に関しても『江さんに問題があるわけない』と思っている台湾人が大半でしょう。さらに台湾人が漠然と持っている『裏表がある』という日本人に対するイメージも手伝い、『愛ちゃん憎し』となっている」(同前)
にわかに持ち上がった福原・江の夫婦問題。両国の違いは、2人の影響力があまりにも大きいことからも起きていると言えそうだ。