第三者が煮詰まった鍋をかき回さなければ、母との関係性は最後まで修復できなかったはずです。
最晩年の母は、施設で本当に穏やかな日々を過ごしました。一度も管につながれることなく、最後まで口からご飯を食べることができた。2014年に89歳で亡くなる時も、朝ごはんを最後の一口まで食べて、それから心臓麻痺で旅立ちました。まさに「終わりよければすべてよし」の人生です。
もう、これほど幸せなことはありません。私も母のように、最後の一口までごはんを食べてから、穏やかに旅立てることを願っています。
【プロフィール】安藤優子(あんどう・ゆうこ)/1958年千葉県生まれ。上智大学在学中から、レポーター、キャスターとして報道番組に携わる。テレビ朝日系の「ニュースステーション」、フジテレビ系の「ニュースJAPAN」、「FNNニュース」などの情報番組のメインキャスターを務め、「直撃LIVEグッディ!」では5年半にわたって総合司会を務めた。