『共演NG』はテレビ業界が舞台でしたから、あまり現実とかけ離れていてはおかしい。かといって、全員がマスクやフェイスシールドをしているのでは、見ているほうも息苦しくなってしまいます。ドラマ撮影にはテレビ局が決めたガイドラインがあるので、一応それに準じてやりましたが、「登場人物は全員マスクをすべし」とまでは書いていないから、そこは極端にしすぎないようにしました。フィクションはあくまでフィクションですし、ガイドラインは撮影方法に対するものであって、撮影内容に対するものではありませんしね。そういう意味では、テレビ局もフィクションの世界を守っています。
僕はコロナの影響をそんなに受けたと思っていませんが、いまはメディアも自家中毒というか、ちょっと過敏になりすぎて自分の足を自分で縛っているような部分がなきにしもあらずと感じます。メディアの報道に煽られる人は必ずいますから。SNSをはじめ、制作現場にも視聴者やいろいろな人の声が届きやすい時代ですから、それを全く気にするなというのは難しいでしょう。でも、それらにいちいち反応していては、おもしろいものは作れなくなります。作品とコロナ禍を全く切り離して考えるというわけではありませんが、過剰に反応することはないように意識してやっています。