国内

島耕作がコロナ感染 弘兼憲史氏「ワクチン接種シーンも入れる予定」

弘兼憲史氏はコロナ禍での表現様式をどう考える?(写真/共同通信社)

弘兼憲史氏はコロナ禍での表現様式をどう考える?(写真/共同通信社)

 人気漫画『相談役 島耕作』で主人公・島耕作が新型コロナウイルスに感染した。フィクションにどこまで現実を反映させるかは作り手にとっては大きな問題。コロナ禍の新たな表現様式について作者の弘兼憲史氏が見解を述べる。

 * * *
「73歳の島耕作がコロナに感染」の反響は、思いのほか大きかった。「もしかしてこれで連載を終了させるのか」なんて声まであがっているようですね。

 島耕作には早くからマスクをさせていました。新型コロナの感染拡大で皆がマスクをし始めていたのに、リアルな世界を描いている『島耕作シリーズ』でマスクがないのはおかしい、と。他にはまだ誰も描いていなかったはずです。

『島耕作シリーズ』は現実社会と同時に進行している情報漫画です。まさにコンテンポラリーですから、コロナがまったくなかったことにはできないのです。

 2度も緊急事態宣言が発出され、1年以上大変な状況になっているのに、漫画やテレビドラマを見ても本来ならマスクをしているはずの登場人物がしていない。正直、描かないのはずるいなと思っています。僕だけ苦労しているから(笑い)。

 現在、島耕作は嗅覚・味覚障害からコロナ感染が発覚して、宿泊療養施設に入りました。

 現実世界でも、病院やホテル療養を嫌がる人が多いというので、ネガティブには描かないように気をつけています。「飯がまずい」も、味覚障害で味がわからないから平気だとしたり、療養先も「住めば都」の感じを出しています。

 ホテル療養については、実際に経験した50代会社経営者に取材をして、できる限り忠実に描いています。

 今後の展開としては、ワクチン接種のシーンも入れる予定です。僕も73歳なので優先的に打つことになるはずですから、写真を撮ってすぐに描きますよ。

 コロナがなかったら描けなかったストーリーが生まれているから、かえって意欲がわいています。

 マスクに口紅の跡がついて……というのはすでに描きましたが、かの名作映画のようにガラス越しのキスシーンなど、新しいラブシーン様式にも挑むつもりです。

※週刊ポスト2021年3月19・26日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

WEST.中間淳太(37)に熱愛が発覚、お相手は“バスり”ダンスお姉さんだ(右・Instagramより)
《スクープ》“夢の国のジュンタ”に熱愛発覚! WEST.中間淳太(37)が“激バズダンスお姉さん”と育む真剣交際「“第2の故郷”台湾へも旅行」
NEWSポストセブン
事件に巻き込まれた竹内朋香さん(27)の夫が取材に思いを明かした
【独自】「死んだら終わりなんだよ!」「妻が殺される理由なんてない」“両手ナイフ男”に襲われたガールズバー店長・竹内朋香さんの夫が怒りの告白「容疑者と飲んだこともあるよ」
NEWSポストセブン
4月は甲斐拓也(左)を評価していた阿部慎之助監督だが…
《巨人・阿部監督を悩ませる正捕手問題》15億円で獲得した甲斐拓也の出番減少、投手陣は相次いで他の捕手への絶賛 達川光男氏は「甲斐は繊細なんですよね」と現状分析
週刊ポスト
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト