スタッドレスタイヤを履いても乗り心地は良好
では、旅の様子を交えながら詳細について触れていこう。第2世代レヴォーグは燃費以外、ロングツーリングに大変向いているキャラクターだった。
2016年のCセグメントハッチバック&セダン「インプレッサ」でスバルが初導入したボディの軽さと剛性の高さを両立させるプラットフォームに切り替わった効果は絶大で、高速巡航は抜群の滑走感。カーブだらけの山道や舗装の荒れた老朽化路線でもビシッとした走りと滑らかな乗り心地が維持された。
凍結路でのコントロール性の高さは特筆もの。ミラーバーンに近いところでも姿勢の乱れは限定的だった
履いていたタイヤはヨコハマ「アイスガード iG60」というスタッドレスタイヤ。接地面のゴムが柔らかいため、乾いた路面ではどうしてもステアリングを介して伝わる路面の感覚がヌルヌルとした感じになるし、タイヤの側壁が固いため、乗り心地面でも純正装着サマータイヤのヨコハマ「ブルーアースGT」に比べると不利だ。
通常はヨコハマ「ブルーアースGT」を履くが、今回はスタッドレスタイやで試乗(サイズは225/45R18)
そのスタッドレスタイヤを履いていてもなお、乗り心地とハンドリングのバランスの良さは際立って良かった。
高速道路やバイパスの比率が高かった往路に対し、復路は福島の会津田島から鬼怒川へと抜ける山岳路であったが、コーナリング時の安定した前傾姿勢と横Gが高まった時の外への膨らみ具合の分かりやすさは特筆すべきレベル。グリップ力の高いタイヤを履いている時のように大きくロールする領域での動きは確かめようがなかったが、おそらく悪くないに違いない。
STIの電子可変ショックアブゾーバーは3段切り替え。INDIVIDUALは各項目を自分好みにセッティングできる
テスト車のSTIはショックアブゾーバーの減衰力をコンフォート(やわらかい)、ノーマル(中庸)、スポーツ(固い)の3段階に切り替えられるようになっていたが、一番固いスポーツでもサスペンションが路面の不整を精密な動きで吸収してくれるため、筆者個人としては普段はスポーツにしっ放しで十分快適であるように思えた。
オンロードでは滑り出しを察知しやすく、Gが変化してもクルマの動きが連続的に変化するチューニングだった