雪国ではボンネット先のカメラが“守護神”
ツーリングの中でもう一点、感銘を覚えたのは積雪路、氷結路への強さだった。走りについてはもちろん前記のスタッドレスタイヤの助けを借りてのことだが、4輪駆動システムの駆動力配分の制御が良く、スノー、アイスとも前後左右のタイヤグリップのバランスが崩れるようなことがほとんどなかった。
ステアリングの握り具合も良かったポイントのひとつ
たとえば積雪路のコーナリングで走行ラインがちょっとコーナリング外側に膨らみそうかなと感じられた瞬間、後輪の駆動が強まってクルマの動きを中立に戻してくれる。
雪国との親和性の高さはクルマ自体の制御以外でもいろいろ感じるところがあった。その例のひとつが、フロントエンドに装着されているカメラだった。
豪雪地帯でも、冬季通行止めの道路以外は市街路でも郊外路でも道路管理者や街に住む人々の尽力によってしっかり除雪されている。が、南国鹿児島生まれの筆者にとってはビビるシーンがたくさんある。
2mくらいの雪壁の先に交差点があると、左右はまったく見通せない。路側帯まで除雪されているところは視界が開けるまでジリジリ進めばいいが、市街路では鼻先を出したところがもう直交路の車道というところが少なくなかった。
フロントエンドにカメラが搭載されており、ワンボタンで映像を見ることができる。雪壁だらけの豪雪地帯で威力を実感できる
そういえば以前、スバルのエンジニアがボンネット先にカメラがついているのを自慢していたのを思い出し、センターコンソールを見まわしたらシフトレバーの脇にカメラスイッチがあった。
それをONにすると、ボンネットを何十センチも直交路にはみ出させなくとも、ちょっと出ただけで左右の安全が確認できた。このカメラ、歩道を乗り越えて車道に出る時に使うくらいのイメージであったが、雪国では文字通り守護神のように感じられた。