芸能

韓国でBLドラマが大ヒット コロナ禍で「癒し」求める人が増加

(Rakuten TVより)

韓国で大ヒット中のウェブドラマ『To My Star』(Rakuten TVより)

『愛の不時着』や『梨泰院クラス』など、コロナ禍で一大ブームを巻き起こした韓国ドラマ。そんな中、「次の韓流ブーム」の火付け役として韓国が力を入れているのがウェブドラマだ。特に、男性同士の恋愛を描いた「BL」が予想を超える人気を博しているという。その理由について、ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんが解説する。

 * * *
 韓国で累計再生回数2億回という異例の大ヒットを記録したウェブドラマ『A-TEEN』と『A-TEEN2』が、今年2月から日本でも放送開始した。高校生の恋や友情、受験の悩みなどを描いた青春学園ドラマで、韓国では2018年7月の放送開始から大ブームを巻き起こした作品だ。韓国の6人組ガールズグループ「April」のイ・ナウンと韓国の10人組ボーイズグループ「Golden Child」のボミンを「演技ドル(演技上手なアイドル)」に成長させた作品であり、ドラマ『梨泰院クラス』で主要キャストのチャン・グンス役を演じたキム・ドンヒのデビュー作でもある(イ・ナウンとキム・ドンヒは、Twitterで過去のいじめを告発する『暴too』疑惑が浮上し一時問題になったものの、ドラマは配信中)。

 韓国ウェブドラマは、スマートフォンの普及と共に2010年頃から始まった。1話当たり10~15分程度の短いドラマで、ポータルサイトや動画配信サービスで放送されている。初恋や受験、就活、婚活の悩みなどを描いた作品が多く、移動中や休み時間に気軽に視聴できることから10~30代まで幅広く愛されている。再生回数が多いウェブドラマは地上波の深夜帯で放送されることもあり、K-POPアイドルや新人俳優などがウェブドラマで演技力を磨き、地上波のゴールデン帯やケーブルテレビの長編ドラマにキャスティングされるケースが増えている。以前は地上波の1話完結スペシャルドラマなどが新人の登竜門だったが、今はウェブドラマがその役割を担っていると言えるだろう。

『A-TEEN』シリーズの大成功によりウェブドラマの制作本数もどんどん増え、ジャンルも幅広くなっている。2020年夏から特に注目を集めているのが男性同士の恋を描いた「BL」だ。初のBLウェブドラマ『君の視線が止まる先に』を筆頭に、『Mr.ハート』、『Wish You~僕の心の中、君のメロディー』、『To My Star』の4作品は韓国で予想を超えるヒットを記録、日本をはじめアジア各国でも放送されている。

 BL初の音楽をテーマにした『Wish You~僕の心の中、君のメロディー』と最新作『To My Star』はウェブドラマ版と映画版があり、映画版はNetflixが版権を買うほどの話題作である。『To My Star』は、いつも笑顔で優しく財力もあるトップスター・カン・ソジュンがスキャンダルから身を隠そうと、内気で自己評価の低いシェフ、ハン・ジウと同居するところから始まる。性格も職業も全く違う2人が、「相手が自分を好きになるはずがない」と思いながらもお互いに惹かれていくトキメキを表現し、普段BLドラマを見ない層にまで話題になり火が付いた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン