さらに人間に起こる「頭痛」や「耳鳴り」といった体調変化を地震の予兆とする説もある。これも微弱な電流や磁力などの影響なのだろうか。
「私の知人のフランス人の物理学者は、カーテンの後ろに隠した磁石の位置を当てることができる。このように、普通の人では感じ取れない信号を感知できる人も中にはいます。そういう意味では、地震の予兆と考えられる微弱な電流や磁力の動きを感じ取り、それが頭痛などの形で表れる人もいるかもしれません」(島村さん)
このように、地震の「予兆」にはさまざまな説と根拠が存在するが、前出の織原さんは現状とこれからの地震予知の未来をこう展望する。
「確からしい先行現象はいくつかありますが、地震というのはいろいろな要素が絡み合って起こる複雑な現象なので、その出来事の後に必ず大地震が起こるとは言い切れません。ただ、そのような先行現象を見出して、大地震の前にどれくらいの『確率』で発生するのかが明らかになってくれば、それらの確率を重ね合わせることによって、事前避難を促せるような情報を出すことができるようになるかもしれません」
完全予知はできないにしても、実際に地震は起きている。最近でも前述のようにイワシの大量打ち上げがされているように、このような「予兆」が表れたら、注意するに越したことはないだろう。
※女性セブン2021年3月25日号