国内

花見「自粛or容認」で対応割れる自治体 対策講じて「推奨」の山梨には共感の声も

毎年多くの花見客で賑わう井の頭公園(武蔵野市・三鷹市/筆者撮影)

毎年多くの花見客で賑わう井の頭公園(武蔵野市・三鷹市/筆者撮影)

 桜の開花宣言が各地で相次いでいる。政府は1都3県への緊急事態宣言を解除したが、2月26日の事務連絡で歓送迎会や飲酒につながる花見などの自粛を求めている。一方で、山梨県知事は十分な対策を前提に花見を推奨している。どちらの言い分に理があるのか──。ジャーナリストの山田稔氏がリポートする。

 * * *
 1都3県に出されていた緊急事態宣言は3月21日に解除されたが、その決定が明らかになった直後の週末、3月20日に桜の名所で知られる東京の井の頭恩賜公園を訪れた。

多くの人で飲食店にも行列ができる東京・吉祥寺(3月20日/筆者撮影)

多くの人で飲食店にも行列ができる東京・吉祥寺(3月20日/筆者撮影)

 吉祥寺駅南口から井の頭公園に向かう路地は多くの人々が行き交う。人気の飲食店には行列ができ、テラス席でビールやワインを楽しむ人々も。公園に入ると案内図の横に立て看板が設置されていた。

「新型コロナウィルス感染症拡大防止のため宴会行為及びシートを広げての飲食を禁止します」

井の頭公園の花見客は「マナー良好」

 公園内を歩くと「花見客の多い区域は立ち入りを制限します」の表示があり、ネットで一帯が閉鎖されている。桜の木が立ち並ぶ池の畔一帯が閉鎖されているため、池の前のベンチに座ることもできない。仕方なく欄干に腰かけて飲み物を飲んでいる人が多い。

花見客の多いエリアが閉鎖された井の頭公園(筆者撮影)

花見客の多いエリアが閉鎖された井の頭公園(筆者撮影)

池の畔一帯が閉鎖されている井の頭公園(筆者撮影)

池の畔一帯が閉鎖されている井の頭公園(筆者撮影)

 人波は途切れることなく続いている。人出はそれなりにあるが、それでもコロナ禍前の一昨年あたりの花見シーズンに比べると、7、8割ぐらいだろうか。スムーズに歩くことができる。

 桜は三分咲きといったところだが、開花した木の周りには人々が群がり、スマホやデジカメで撮影に夢中だ。

花見客の訪れるエリアの立ち入りを制限する井の頭公園(武蔵野市・三鷹市/筆者撮影)

花見客の訪れるエリアの立ち入りを制限する井の頭公園(武蔵野市・三鷹市/筆者撮影)

 全般に人々のマナーは良好だ。マスクを着用し、歩きながら桜を眺めている。立ち入り禁止エリアに入り込んでいる人は皆無だし、酒盛りをしているグループも見当たらない。閉鎖されていない場所にあるベンチでランチを楽しむ人々を見ても、アルコールを飲んでいる人はひと握りだ。感染防止意識が高いのだろう。

 井の頭公園は広く、競技場や野球場、動物園などさまざまな施設が併設されている。普段はマイカー利用者も多いが、今の時期は駐車場も閉鎖されている。

閉鎖されていない場所でランチを楽しむ人々(井の頭公園/筆者撮影)

閉鎖されていない場所でランチを楽しむ人々(井の頭公園/筆者撮影)

 競技場近くの桜の木の下ではいくつかのグループがシートを広げてランチを楽しんでいたが、宴会という雰囲気には程遠い。総じて、静かな花見が行われている感じだった。池の周囲を歩いていたカップルの女性が、「シートを広げて騒ぐだけが花見じゃないものね。歩きながら花を愛でるのもいいかも」と話していたのが印象的だった。

関連記事

トピックス

志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
鷲谷は田中のメジャーでの活躍を目の当たりにして、自身もメジャー挑戦を決意した
【日米通算200勝に王手】巨人・田中将大より“一足先にメジャー挑戦”した駒大苫小牧の同級生が贈るエール「やっぱり将大はすごいです。孤高の存在です」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン
谷本容疑者(35)の地元を取材すると、ある暗い過去があることがわかった(共同通信)
「小学生時代は不登校気味」「1人でエアガンをバンバン撃っていた」“異常な思考”はいつ芽生えたのか…谷本将志容疑者の少年時代とは【神戸市・24歳女性刺殺】
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚を発表した(左・Instagramより)
《お腹にそっと手を当てて》ひとり娘の趣里は区役所を訪れ…背中を押す水谷豊・伊藤蘭、育んできた3人家族の「絆」
NEWSポストセブン