花見自粛も聖火リレーは予定通り
政府、東京都、山梨県、和歌山市の花見への対応の違いを見てきたが、そもそも都道府県で感染状況が異なる中で、国民の行動や私権を一律に制限することは、よほどの緊急時以外は国民に理解を得られないのではないか。
宣言解除で「花見自粛」はナンセンスか(上野公園/撮影・内海裕之)
直近の新規感染者数が再び増加傾向にある状況下にもかかわらず緊急事態宣言を解除しておきながら、科学的根拠の明示もなく花見の自粛や宴会禁止を国民に求めたところで、本当に理解を得られるだろうか。
屋外の公園での宴会を禁止しても、緊急事態宣言解除で営業時間が延びる屋内の飲食店での宴会が増えれば、感染リスクはむしろ高まってしまうのではないか。
その一方で、感染リスクが指摘される聖火リレーは予定通りだし、国内外で中止論が高まっている五輪もあくまで実施の構えだ。そうした中で起きた今回の花見論争は、国の感染症対策の進め方、内容、整合性、地方自治体との関係など、課題と問題点を改めて浮き彫りにした。
満開に近づく上野公園の桜(撮影/内海裕之)