対策講じたうえでの花見推奨に共感の声

 このやり取りを国民はどう受け止めているのだろうか。加藤官房長官の発言を伝えた記事に対するネットのコメントを拾ってみた。

〈今の山梨の状況で自粛要請なら、東京の緊急事態宣言解除なんてできない〉
〈山梨県知事のコメントはまさにその通り。なぜ何も施策を打ち出せない政府がクギをさす必要があるのか〉
〈感染対策すれば旅行や飲食して構わないって聞いたけどなあ〉
〈山梨県や島根県の知事は責任覚悟で発言している。国は口だけ出さないで、宣言対象外地域にもきっちりお金を出すべき〉
〈国がクギをさすなら、それなりに論破できる対策を講じるべき〉

 圧倒的に知事を支持するコメントが多い。もっとも、1都3県からの来訪歓迎発言には、〈他県から来てほしいとは思わない〉といったコメントが見られるのも事実だ。

少人数の宴会を“容認”した和歌山市

 花見の宴会について、禁止ではなく自粛としたのは和歌山市だ。桜の名所・和歌山城公園の花見の宴会について、昨年は禁止としたが、今回は市内の新規感染者数が増加傾向にないことから「自粛」の呼びかけにとどめた。

 尾花正啓市長は3月18日の会見で「感染対策を万全にしていただいて、花を楽しんでほしい。宴会も少人数で短時間であれば距離をあけていただいて、禁止しないでいく方向でいきたい」などと語っていた。

引き続き花見や宴会の自粛を求める小池都知事(時事通信フォト)

引き続き花見や宴会の自粛を求める小池都知事(時事通信フォト)

 一方、政府と歩調を合わせているのが東京都の小池百合子知事だ。3月5日の会見で「今年の花見、飲食、立ち飲み、こちらの方も申し訳ありませんが、ナシでお願い申し上げます」と都民に訴えた。

 都知事は昨年「(桜は)来年も咲くのでそれを楽しみにしていただきたい」(2020年3月27日)と呼びかけたが、結局、感染拡大を抑えることはできなかった。ちなみに当時の東京都の新規感染者数は40人だった。

混雑緩和のため桜並木の通りを片側通行に制限した上野公園(台東区/撮影・内海裕之)

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