志村さんの自宅で掃除をする星野さん。棚にはビデオやDVDが並ぶ
そんな体調の中、志村さんが全力で取り組んでいた“最後の仕事”がある。山田洋次監督(89才)作の映画『キネマの神様』だ。この映画は、本来、志村さんの初主演映画として昨年公開される予定だった。しかし、志村さんは撮影直前に亡くなった。現在、志村さんの代役に沢田研二が立ち、公開を控える。
「オファーを受けた当時は体力が限界に達して歩くこともままならなかったんです。それでも、敬愛する山田監督の作品だからと悩みに悩んで引き受けたと言っていました。『おれは新人以下だから』『人一倍、一生懸命やらなきゃいけない』と言って、家の中でも外でも、肌身離さず映画の台本を持ち歩いていらっしゃいました。
台本は特に大事にされていました。机の上に置くときも、必ず両手で丁寧に扱ってそっと置くんです。コロナで体調が悪化し、ベッドで横になるしかないような中でも、枕元には台本を置いていました」
志村さんは肉体的にも精神的にも追い込まれながら、最後の最後まで「志村けん」であり続けようとしていた。
「自分を見てくれる人を笑顔にするため、必死に努力をし続けていました。志村さんは自分がやりたいからではなく、待ってくれて喜んでくれる人のために一生懸命やろうという心を持った方でした。
あれから1年経ってようやく私は、志村さんのそんな素顔を、人に伝えたいと思えるようになりました。本当に真摯な方でした」
15年間、志村さんに寄り添った星野さんだから知れた志村さんの素顔、生き様は、彼のファンならずとも胸に響く物がある。彼が自宅で夜ごと涙を流していたというが、それはなぜなのか。独身貴族を貫いてきた本当の理由とは。屋根裏の奥に仕舞われていたトロフィーが意味するものは何か。
3月25日発売の女性セブンでは、星野さんだけが持つ志村さんの秘蔵写真とともに、計5ページで詳報している。