スポーツ

ホンダとセナの熱き時代 F1完全撤退で思い出すエンジン音とHマーク

1988年、左からセナとプロスト(写真/AFP=時事)

1988年シーズンのマクラーレン・ホンダは圧倒的な存在だった(左から アイルトン・セナとアラン・プロスト、写真/AFP=時事)

 ホンダがF1からの「4度目の撤退」を発表した。“車離れ”が進み、ハイブリッドカーや電気自動車がもてはやされる中、カーレースと距離を置くのは自動車メーカーとして必然の決断なのかもしれない。しかし、我々は覚えている。サーキットで「H」のマークが燦然と輝いた、あの時代の興奮を──。

 1964~1968年(第1期)、1983~1992年(第2期)、2000~2008年(第3期)、2015年~現在(第4期)と、長きにわたりF1に参戦してきたホンダ。しかし、2021年シーズンを最後に撤退する。

 多くの日本人は「F1のホンダ」に特別な感情を抱いてきた。

 1960年代に初めてF1に参戦した際には、二輪で培った精緻な高回転エンジンを、常識を打ち破って横置きに搭載。その技術力とアイデアを世界に知らしめた。

 とりわけ幅広い世代の目に焼き付いているのは、無敵を誇った1980年代半ば~1990年代初頭の「第2期」だろう。

 1987年に中嶋悟がロータス・ホンダのセカンドドライバーとしてF1デビュー。F1に年間フル参戦した初めての日本人となった。

 この年、最も鮮烈な印象を残したのが第7戦のイギリスGPだ。ウィリアムズ・ホンダのナイジェル・マンセルとネルソン・ピケがワンツーフィニッシュ、3位にロータス・ホンダのアイルトン・セナ、4位に中嶋が入った。同一社製エンジンによる上位4位独占はF1史に残る伝説的な記録となっている。

 その後、白・赤の「マールボロカラー」をまとったマクラーレン・ホンダはまさに「世界のホンダ」の象徴となる。

 1988年にセナが移籍し、ホンダがエンジン供給を始めたマクラーレン・ホンダは絶対的な存在だった。

 ドライバーは天才的な走りと甘いマスクから“音速の貴公子”と呼ばれたセナと、それまで2度のワールドチャンピオンに輝き、クールさと無駄のないドライビングテクニックから“プロフェッサー(教授)”と称されたアラン・プロスト。

関連記事

トピックス

谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン