「金メダルの価値」が大暴落か
各国の代表選考が満足に進んでいないことも心配だ。
「五輪代表を決める大会が続々中止となっており、1月末時点で全体の6割しか代表選手が決まっていない。代表選出期限は6月29日。それまでに試合が行なわれなければその時点のランキングで決めるなど、選考基準が変わる可能性もある。選手は気が気でないでしょう。もし選考の公平性が損なわれれば、東京五輪のメダルそのものの価値が揺らいでしまう可能性もある」(スポーツジャーナリストの谷口源太郎氏)
実際の競技にも影響が出るかもしれない。
「2月にIOCが公表した五輪の観戦ルールブックでは、応援は大声を出さず歌も歌わず、拍手のみに留めるように勧めている。歓声のない静寂の中ではトップアスリートのモチベーションや集中力も上がらない。史上最も世界新記録更新が少ない大会になるのではないか」(前出・玉木氏)
※週刊ポスト2021年4月2日号