「役者に挑戦してみる、といった軽い気持ちではなく、覚悟を持って臨んでいることが伝わってきました。当時は体力が限界に達して歩くこともままならなかったんです。敬愛する山田監督の作品だからと悩みに悩んで引き受けたと言っていました。『おれは新人以下だから』『人一倍、一生懸命やらなきゃいけない』と言って、撮影までの日数を指折り数えていました」
『キネマの神様』は、無類のギャンブル好きで家族にも見放された「ダメ親父」ゴウ(志村さん)に「映画の神様」が奇跡をもたらす物語。昨年4月、志村さんが撮影に入ろうとした矢先にコロナ感染が明らかになった。志村さんの代役は、かつては同じ事務所の先輩でもあった沢田研二(72才)が務める。
作品のホームページには優しげに笑う志村さんの写真とともに《あなたがいたから私でいられた 人と人とがつながれない そんな今だから あなたのことを 思います》とのメッセージが掲載されている。
志村さんの遺志を継いだ作品は今夏に公開される。