3本目の柱である日本維新の会とは、菅首相は現在も良好な関係を保っている。しかし、その維新は「大阪都構想」の住民投票で敗北したことから一時の勢いを失った。
「菅さんは都構想で勢いに乗った維新が総選挙で全国に候補者を立て、立憲民主党の票を食って政権の補完勢力の拡大になると計算していたので、住民投票の否決は誤算でしょう」(前出・伊藤氏)
そのうえ、首相が維新との関係を強めるほど、自公の選挙協力が危うくなる火種を抱えている。維新と敵対する自民党大阪府連の幹部が語る。
「住民投票で菅さんは維新と公明が組む仲立ちをした。維新は次の総選挙でも菅さんの創価学会パイプを頼って自民党とぶつかる選挙区で学会票を回してもらおうとするだろう。だが、今度もし、また菅さんが我々に後ろから鉄砲を撃つようなら、自民党府連は公明党議員の選挙区に無所属で対立候補を立ててもいい。そうなると全国的に自公選挙協力にヒビが入ることになる」
菅首相と維新のパイプは政権を支える柱ではなく、政権崩壊の火薬庫だ。かくして3本柱はガタガタとなり、菅首相は“丸裸”になりつつある。
※週刊ポスト2021年4月9日号