小林:そうだよね。インフルエンザは一冬にドカンと感染が広がって一気に集団免疫に達して収束し、また翌年の冬に同じように流行るわけだけど、コロナは自粛によってピークを下げたから、緩めるとまた増え、第二波、第三波と増減を繰り返した。結局、やってもやらなくても大差なかったんだろうと思う。
最初の頃は、頑張ればコロナを封じ込められるとみんな思っていたんだよね。だけど、それは無理だということがわかった1年でもあったわけで。自粛で抑え込んでも、やめればまた増えるだけで、感染を先延ばしにしているだけなんだよな。
※小林よしのり、宮沢孝幸の共著『コロナ脳 日本人はデマに殺される』(小学館新書)より一部抜粋・再構成。
【プロフィール】
小林よしのり(こばやし・よしのり)/1953年福岡県生まれ。漫画家。『東大一直線』でデビュー。『おぼっちゃまくん』でギャグ漫画に旋風を巻き起こす。92年スタートの「ゴーマニズム宣言」は新しい社会派漫画、思想漫画として話題に。近著に、『コロナ論』など。
宮沢孝幸(みやざわ・たかゆき)/1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部獣医畜産医学科、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程獣医学専攻修了。獣医学博士。現在、京都大学ウイルス・再生医科学研究所 ウイルス共進化分野准教授。