国内

千代田区の名門公立中学校で通知表に「1」を連発した新校長の主張

千代田区立麹町中学校が注目される理由は?

千代田区立麹町中学校が注目される理由は?

「髪型も服装も自由」「宿題なし」「中間・期末テスト廃止」──こんな改革を行なう公立中学がある。都内の千代田区立麹町中学校だ。先進的な教育を行なう同校に、ある異変が起きている。

 * * *
「これまでの通知表は『3』や『4』が並んでいたのに、校長が変わると『1』ばかりに……」

「ずっと『5』を取っていた科目が『2』になったので驚きました」

 そう困惑するのは、3月まで麹町中に子供を通わせていた保護者たちだ。

 永田町や霞が関に近い麹町中は古くから名門として知られ、麹町中から都立屈指の進学校・日比谷高校へと進むのが“エリートコース”とされていた。OBには岸田文雄・元外相やアナウンサーの露木茂氏などがいる。

 そんな麹町中に革命をもたらしたのが、2014年に赴任した工藤勇一・前校長だ。

 それまで都や区の教育委員会の職員だった工藤前校長は、赴任するや担任制度や宿題、定期テストを廃止。生徒の自主性を重んじる改革を断行し、一躍“教育界の風雲児”に。4冊の著書を出版したほか「教育再生実行会議」の有識者メンバーにも名を連ねている。

 中でも注目されたのが、「単元テスト」の導入だ。

 麹町中では宿題や定期テストの代わりに、授業の進捗ごとに単元テストと呼ばれる小テストを受ける。点数が低ければ、納得のいく点数に到達するまで何度でも再テストを受けることができる。

 この方式は、「通知表の評価が上がりやすい」とある教育関係者が言う。

「ほかの公立中学は一発勝負の中間・期末テストの成績で判断されますが、麹町中は繰り返し再テストを受けて好成績を収めれば高評価が得やすい。

 都の教育委員会は毎年、各公立中学の成績割合を公開しており、2019年の麹町中は生徒の45%が数学で『5』を、英語を除く他教科でも生徒の50%超が『4』以上を取っていた。工藤氏は雑誌のインタビューなどでも『生徒全員に5を付けて何が悪いのか』と公言しており、わざわざ住民票を学区内に移す“越境入学者”も絶えなかった」(同前)

 だが、冒頭の保護者のひとりは、「昨年3月に工藤先生が退任してから学校の印象は一変した」と話す。

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン