最も基礎代謝が多いのは肝臓
チョコレートで脂肪肝を予防
『ずぼやせ「生きているだけで痩せる体」をつくる食事術』(光文社)の著書がある管理栄養士の豊田愛魅さんは、ウコン(ターメリック)の主要成分である「クルクミン」を推す。解毒機能を高め、胆汁の分泌を促すなど、肝臓の機能全体をよくする効果が期待できる。
「クルクミンはカレー粉に多く含まれます。カレー粉は腐らないので常備しやすく、お魚やスープ、みそ汁にトッピングしてもおいしい。毎朝の食パンをチーズトーストにして、カレー粉をかけるのもおすすめです」(豊田さん)
きなこや納豆などに含まれる亜鉛、トマトに多く含まれるリコピン、魚介類に豊富なタウリン、しじみに多いオルニチンなども肝機能をサポートする働きを持つ。
ただし、ウコンや魚介類には、豊富な鉄分が含まれる。鉄分の過剰摂取は、体内で活性酸素が発生する原因となりかねず、肝臓にダメージを与える恐れがある。
「対策として、食事前に70%以上のハイカカオチョコレートをひとかけら食べるといい。カカオは抗酸化作用の強いポリフェノールの含有量が非常に高いうえ、食物繊維が豊富なため、小腸での栄養の吸収速度をゆるめてくれる。脂肪肝の予防のほか、治療にもつながります」(栗原さん)
筋肉や内臓をつくる栄養素であり、基礎代謝を上げるために必要不可欠な「たんぱく質」にも、落とし穴がある。
「たんぱく質は内臓をつくっている大もとなので、肝臓の機能を整えるために欠かせません。しかし、肉や乳製品などの動物性たんぱく質は腸を汚しやすい。なるべく豆腐や納豆などの植物性たんぱく質を摂取する頻度を増やすことを心掛けましょう」(豊田さん)
腸内環境が乱れると、小腸がうまく栄養を吸収できなくなる場合もある。すると肝臓に栄養が行き届かず、本来の力を発揮できなくなる可能性がある。
「腸内環境を整えるには、発酵食品に含まれる乳酸菌やビフィズス菌と、きのこ類や海藻類に豊富な食物繊維の両方を摂ること。
もちろん、いずれも食べすぎ、飲みすぎはすべて肝臓の負担になります。肝臓を労う意識を忘れず生活することで、『生きているだけでやせる体』になれるのです」(豊田さん)
何も語らない、「縁の下の力持ち」である肝臓。労いを忘れないことが自然とやせるいちばんの近道だ。
※女性セブン2021年4月22日号