ライフ

上司と不倫するパワハラ教育係への逆襲 「様」づけで呼ばせるまで

部長との不倫で権力をかざすお局を撃退

部長との不倫で権力をかざすお局に悩まされた女性が…

 大企業では2020年6月1日から、中小企業でも2022年4月1日から「改正労働施策総合推進法(通称・パワハラ防止法)」が施行される。つまり、法で規制しなければならないほど、日本はパワハラにまみれているということなのだ。実際に46才・会社員の女性Aさんは、職場でのパワハラに悩まされていたという。しかし、Aさんは自らの努力でそのパワハラをはねのけた。Aさんが、自身のエピソードを明かす。

 * * *
 3年前、離婚を機に専業主婦から社会人に復帰しました。パート事務ではありますが、久しぶりのOL生活に、ワクワクしていました。

 ところがその期待は、出社1日目で淡くも消えました。というのも、私の教育係になった1才年上のC子が曲者。同じパートなのですが、かなり先輩風を吹かせるんです。とにかくなんでも彼女の言うとおりにしないと怒られる。例えば、

「ホチキスは右上に留めて」

「ここの罫線、太いわよ」
「文字フォントは『MS明朝』にしてって言ったわよね」
「社員はパートと分けて“様”をつけて呼びなさい」

 など……。業務に関する注意というより、C子のこだわりを押しつけてくるんです。

 常に隣の席から監視されているので、ストレスで眠れない日々が続きました。社員に相談しようにも、実はC子と部長は不倫関係にあり、それが周知の事実のため、触らぬ神に祟りなし、とばかりにC子関連の話題はしてはいけない雰囲気。C子も部長との関係を笠に着て、パートや新人の正社員に威張り散らしていたんです。

 そこで私は考えました。C子よりも仕事で認められるため、1年間精一杯頑張って、ダメなら辞めようと……。その日から無遅刻無欠勤。C子にはもちろん、ほかの社員にも、常に笑顔で対応するようにしました。同時に猛勉強をして、合格率1割以下の難関、日商簿記1級にも合格。そういった積み重ねが認められたのでしょう。自分で決めた期限だった1年後、正社員採用を打診されたのです。10年以上働いていてもパートのままで、正社員に対して憧れとコンプレックスがあったC子にとって、この件は相当こたえたみたい。

「A子さんのおかげで仕事をしっかり覚えられました。これからは私が上司になるけれど、引き続きお願いしますね」

 と笑顔で言ったときのC子の悔しそうな顔は忘れられません。不倫を利用して、本業以外でマウントを取ろうとするタイプには正攻法がいちばん効果的ですね。いまでは私の名前を“様”づけで呼んでくれています。

取材・文/前川亜紀

※女性セブン2021年4月29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

奥田瑛二
映画『かくしごと』で認知症の老人を演じた奥田瑛二、俳優としての覚悟を語る「羞恥心、プライドはゼロ。ただ自尊心だけは持っている」
女性セブン
『EXPO 2025 大阪・関西万博』のプロデューサーも務める小橋賢児さん
《人気絶頂で姿を消した俳優・小橋賢児の現在》「すべてが嘘のように感じて」“新聞配達”“彼女からの三行半”引きこもり生活でわかったこと
NEWSポストセブン
NEWS7から姿を消した川崎アナ
《局内結婚報道も》NHK“エース候補”女子アナが「ニュース7」から姿を消した真相「社内トラブルで心が折れた」夫婦揃って“番組降板”の理由
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【厳戒態勢】「組長がついた餅を我先に口に」「樽酒は愛知の有名蔵元」六代目山口組機関紙でわかった「ハイブランド餅つき」の全容
NEWSポストセブン
真美子夫人とデコピンが観戦するためか
大谷翔平、巨額契約に盛り込まれた「ドジャースタジアムのスイートルーム1室確保」の条件、真美子夫人とデコピンが観戦するためか
女性セブン
日本テレビ(時事通信フォト)
TBS=グルメ フジ=笑い テレ朝=知的…土日戦略で王者・日テレは何を選んだのか
NEWSポストセブン
今シーズンから4人体制に
《ロコ・ソラーレの功労者メンバーが電撃脱退》五輪メダル獲得に貢献のカーリング娘がチームを去った背景
NEWSポストセブン
「滝沢歌舞伎」でも9人での海外公演は叶わなかった
Snow Man、弾丸日程で“バルセロナ極秘集結”舞台裏 9人の強い直談判に応えてスケジュール調整、「新しい自分たちを見せたい」という決意
女性セブン
亡くなったシャニさん(本人のSNSより)
《黒ずんだネックレスが…》ハマスに連れ去られた22歳女性、両親のもとに戻ってきた「遺品」が発する“無言のメッセージ”
NEWSポストセブン
主犯の十枝内容疑者(左)共犯の市ノ渡容疑者(SNSより)
【青森密閉殺人】「いつも泣いている」被害者呼び出し役の女性共犯者は昼夜問わず子供4人のために働くシングルマザー「主犯と愛人関係ではありません」友人が明かす涙と後悔の日々
NEWSポストセブン
不倫疑惑に巻き込まれた星野源(『GQ』HPより)とNHK林田アナ
《星野源と新垣結衣が生声否定》「ネカフェ生活」林田理沙アナが巻き込まれた“不倫疑惑”にNHKが沈黙を続ける理由 炎上翌日に行われた“聞き取り調査”
NEWSポストセブン
ハワイの別荘と合わせて、真美子夫人との愛の巣には約40億円を投資
【12億円新居購入】大谷翔平、“水原一平騒動”で予想外の引っ越し 日系コミュニティーと距離を置き“利便性より静けさ”を重視か
女性セブン