また、千璃ちゃんが成人する(アメリカでは18才)までに形にしたい、と美香さんが進めてきた英訳本『Born(e)』も完成した。このタイトルは「born(誕生)」と「borne(背負う、耐える、実る)」の意味からつけられたという。(カッコ)は、「ほんとうは必要のない・重要な意味をもたない」もの。不自由や障がいを背負い、耐えて、そこから実りを得ていくこと(borne)より、すべての人がありのまま(born)受け入れられる社会になってほしいという願いが込められている。
「完成した英訳本を読み、ようやく下の3人の子供たち(長男・次男・次女)が我が家のストーリーを理解したことで、彼らの意識もまた新しい方向に進んでいくのでしょう。終わりのないストーリーが続いていますが、今回のように第三者が感じたことを、また次の第三者に伝えていってくれたら、少しでも優しい社会の実現に近づけるのではと思っています」と美香さんの視点はさらに先にある。