国際情報

土葬信仰が根強い中国 「偽装火葬」用に調達された遺体、実は殺人だった

高層ビルが2日間揺れ続けた原因は?

土葬用の遺体が実は…、という事件

 中国広東省陸豊市で2017年3月に起きた殺人事件が最近になって話題になっている。中国では政府が葬式は火葬にするよう義務付けているが、同市在住で、がんで亡くなった男性が死の直前、「葬式は土葬にしてほしい」と言い残した。そして、火葬にするための替え玉の遺体が必要となり、殺人に発展したという事件の真相が、4年後の今になって明らかになった。

 中国メディアはこぞってこのニュースを取り上げ、「農村部の人々の間では、遺体を燃やす火葬は不敬とされ、伝統的な土葬が尊重されるが、いまこそ、そのような古い考えを捨てるべきだ」との見方を紹介する一方、「霊魂を信じる伝統的な土葬を重んじる中国古来の考え方も尊重すべきだ」との相反する意見も伝えている。

 事の発端は、がんで死亡した男性の家族が男性の希望をかなえるため、知り合いに事情を話し、その知り合いが黄という男に「どこかで死体を調達できないだろうか」と相談したことからだった。

 家族は、黄がすでに死亡した人の遺体を手に入れると考えたのだが、黄は家族に知らせずに殺人を計画。黄は近くの街頭でごみ拾いをしていた男性、林小仁さんに声をかけ、自分の車に乗るよう説得。黄の家に連れていき、酒を飲ませて気を失わせ、殺害してしまった。

 黄は林さんの死体を棺に入れて、頼まれた家族に渡し、10万7000元(約180万円)を受け取った。このうち、黄が9万元、仲介した知り合い(後に死亡)には残りの1万7000元が渡った。

 家族は、棺の中に林さんの遺体を入れて、何事もなかったように荼毘に付した。男性の本物の遺体はひそかに伝統的な方法で土葬にされたという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン