ビジホ温泉の先駆け「ドーミーイン」
そうした意味で筆者がまず思い浮かべるのが「ドーミーイン」だ。長年取材を続けてきたビジネスホテルチェーンであり、全軒へチェックイン(2018年9月現在)した経験も持つ。
ドーミーインと聞いて天然温泉大浴場をイメージする人は多いだろう。そもそも、機能性や利便性が追求され、付加価値的なサービスはシティホテルへ譲ってきたビジネスホテルだが、いまやビジネスホテルの大浴場は代表的な付加価値サービスとなっている。そしてドーミーインの大浴場は“ビジホ温泉”の先駆けであり、当初から大浴場をアイデンティティとしてきた。
「天然温泉 甲斐路の湯 ドーミーイン甲府」(山梨県)
ただの大浴場ではない、天然温泉も標準化しているのがドーミーインの特徴だ。ボーリングをして1000m、2000mと掘削する自家源泉はもちろんのこと、施設によっては温泉地から運んでくる運び湯(天然温泉との表記可)も。各店の大浴場、脱衣所はデザインや設備などチェーン全体で均一感がある。
ドーミーインでは開発部門と事業部門で綿密な打ち合わせがなされるといい、たとえば、ビジネス客と観光客の割合など施設の傾向を鑑み、レイアウトプランが作成されることもあるという。