ピンクレディーの『S.O.S』は、イントロに「SOS」を意味するモールス信号が入っていることが問題だとされた

ピンクレディーの『S.O.S』は、イントロに「SOS」を意味するモールス信号が入っていることが問題だとされた

 以降、テレビ業界や音楽業界がこうした「自主規制」をし始めるようになっていった。犯罪を肯定し、反社会的な風潮を助長する恐れがあると判断された『網走番外地』などの“ヤクザ歌謡”や、『しおふき小唄』などのお色気歌謡も性表現についての規制から放送禁止になっている。

 発表した曲の多くが放送禁止とされたのは、ラジオパーソナリティーでシンガーソングライターのつボイノリオの歌。『金太の大冒険』は、「金太」の次に「ま」から始まる言葉を続けるコミックソング。1975年8月に発売され、20日後には「要注意歌謡曲」のAランクに指定された。これ以降の放送は難しくなったが、子供たちの間で広がりを見せ、その後も再販されている。

【放送禁止に指定された理由】

●わいせつな表現がある

 性行為を連想させる歌詞などが含まれている曲。原由子の『I LOVE YOUはひとりごと』は、一部の歌詞が問題に。北島三郎のデビュー曲『ブンガチャ節』は、合間に入る「キュ キュ」という擬音が、ベッドのきしむ音を連想させる、と問題視されたという。

●反社会との繋がりを連想させる

『網走番外地』などの“ヤクザ歌謡”は「退廃的、虚無的、厭世的な言動を、肯定的または魅力的に表現したもの」に該当するため放送禁止に。山下敬二郎のデビュー曲『ネリカンブルース』もこれにあたる。

●差別表現がある

 加山雄三『びっこの仔犬』『びっこの七面鳥』、越路吹雪『まっくろけ節』の「あんまさん」などの言葉や、『ヨイトマケの唄』の「土方」なども規制の対象になった。

●政治的配慮が必要

『イムジン河』が、その代表。渡辺はま子の『支那の夜』は、「支那」に中国蔑視の意味合いが含まれるとして、1946年に「支那の呼称を避けることに関する件」という外務次官通達がされたが、過去のそうした経緯を踏まえ、規制の対象に加えられたという。

●放送することで混乱を招く

 グレープ時代のさだまさしが歌った『朝刊』のLPバージョンは、イントロ部分にラジオの交通情報が入っていて、「本物の交通情報と間違える可能性がある」ため、その部分のみが放送禁止になっている。

※女性セブン2021年5月20・27日号

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