(写真/GettyImages)

グローバルに活躍するBTS(写真/GettyImages)

 防弾少年団という名前はどこかで聞いたことが…と記憶を探る。グループ名には、社会的偏見や抑圧から自分たちを、自分たちの音楽を守るという意味があるというネット記事を読んで思い出したのは、2018年の「原爆Tシャツ騒動」だ。メンバーの1人が米軍により原爆が投下された時の写真がプリントされ、そこに「愛国心、我々の歴史、解放、朝鮮」などの言葉がデザインされたTシャツを着用していたことで、SNS上で拡散し問題となったのだ。

 名前から受ける印象や原爆Tシャツ、テレビ画面で見た彼らの黒いスーツ姿、過激なメッセージをメロディに乗せて歌うグループという紹介から好印象は持てなかった。ちょうど日本と韓国の関係が悪化しつつあった時期でもある。ネットでは彼らに対し“反日”的という批判も出ていた。さらに、ナチスの鉤十字を記した帽子をかぶっていたことなども報じられ、無意識のうちに「好ましくないグループ」というレッテルを貼ったのだ。マイナスの先入観が出来ていた。

 だからBTSがあの時の防弾少年団だと知った時は正直に驚いた。今までのイメージとは異なるポップな衣装で、可愛いイメージを作り上げ、パフォーマンスを繰り広げていたからだ。グローバルに展開するならBTSという名前の方が断然いい。『Dynamite』という英語のディスコ風の楽曲とイメージにはBTSの方が合うと、そう思った。

 名前が人の判断に影響を与えることはよく知られている。心理学で言う「ラベリング理論」だ。なかなか売れなかった商品がネーミングを変えた途端、ヒット商品になったという例は言うに及ばずである。

 彼らがグループ名を変えたわけではないが、防弾少年団とBTSでは見聞きした時の印象はかなり違う。そもそも防弾少年団というグループ名は日本語だと馴染みにくい。「BTS」というシンプルな3文字が広く知れわたったことと、現在の世界的な人気は少なからず関係しているのではないだろうか。

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