なぜ客室内への飲食持ち込みは「基本NG」なのか
そもそも、これまでホテルの部屋へ飲食物を持ち込むことは、ホテル側の立場からすると推奨されない行為とされてきた。
ルームサービスのようにホテルが自ら調理した料理ならば質も担保できるのだろうが、客が自ら持ち込んだ食べ物で食中毒など起こされたら大変という理由もあるし、何より館内での飲食提供も収益というホテルからすると、売り上げにも影響しかねないという思いがあったことは理解できる。
だが、そんな“客室持ち込みNG”という伝統的な掟もコロナ禍にあっては例外続きとなった。もっとも近年では客室での飲食を事実上認容するようなケースも散見されてきた。
たとえば、コンビニエンスストアがテナントにあるようなビジネスホテルでは、コンビニで購入した飲食物を客室に持ち込むことを前提としているだろうし、テナントではなくてもコンビニエンスストアが隣接することを売りにしているホテルもある。
客室内に電子レンジを備えるビジネスホテルが人気に
また、施設内に電子レンジを備えるホテルも多く、最近では客室に電子レンジが置かれているホテルも人気だ。ビジネスホテルでなくとも、客室の冷蔵庫を空にしてミニバー(客室の冷蔵庫に飲み物を備えチェックアウト時にゲストが利用を申告する)をなくすシティホテルも増えている。先日泊まったグランドホテルでは、冷蔵庫を開けると“館内に自動販売機があります”というプレートが置かれていた。
冷蔵庫のミニバーをなくすシティホテルも増えている