和田秀樹氏は現在、老年精神医学にも注力している
和田:たとえば、昔、受験に勝つ子は4時間しか寝ていない、5時間寝たら落ちるという意味で「四当五落」という言葉がありました。でも当時の東大教授がきちんと調査したら、合格者の平均睡眠時間が8.5時間だったという事実があります。4時間睡眠を続けていたら、普通は記憶力も落ち体調を崩すはずです。きちんとした情報を得ずに根性論のようなものを信じていたら、受験に失敗するだけでなく、健康まで害する可能性もあるのです。
樺沢:悩みを解決する手段はもちろんひとつではありませんが、近著『極(エッセンシャル)アウトプット』でも触れているように、まずは自分で調べる・考えるという行動をすることがとても重要です。これからはますます「情報をもっているかどうか」で幸せな人生を生きられるかが決まる時代になっていくはずです。
【プロフィール】
樺沢紫苑(かばさわ・しおん)/1965年札幌生まれ。精神科医。札幌医科大学卒。米・イリノイ大学留学から帰国後、樺沢心理学研究所を設立。「情報発信を通してメンタル疾患・自殺を予防する」をビジョンとし、執筆・YouTubeを中心に「日本一アウトプットする精神科医」として活動している。累計180万部を超えるベストセラー作家でもある。近著『極アウトプット 「伝える力」で人生が決まる』が話題。
和田秀樹(わだ・ひでき)/1960年大阪生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。米・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、国際医療福祉大学赤坂心理学科教授。東京医科歯科大学非常勤講師。和田秀樹こころと体のクリニック院長など、精神科医としての多忙な仕事のほか、和田秀樹の「親塾」、緑鐵受験指導ゼミナール運営、執筆、映画製作など、多彩な活動をしている。近著は『みんなに好かれなくていい』。