国内

政府の方針とせめぎ合う手帳・カレンダー業界 五輪で今年は混乱

aaa

忘れている人も多い今年の休日

 東京オリンピックまであと約1か月半。ふと7月のカレンダーを見たら、あれ? なんかヘン??──そう、流通しているカレンダーのほとんどは今年の祝日が反映されていないんです。なぜこんな事態に? 対応に追われるカレンダー業界を取材しました!

「えっ? カレンダーに書いてある祝日が間違っているの?」「同僚も母親も7月8月の祝日移動、まったく知らなかった件」「時代はデジタルっていっても、まだまだ書類は旧カレンダーで作られてるでしょ。どのカレンダーを見ても入ってない悲劇」―ネットでは、こんなつぶやきが増えている。東京オリンピックを目前に控えたいま、平日と思って病院の予約をした人や、祝日と思って旅行やイベントの予定を立てていた人など、今年の正しい祝日を知らずに戸惑う人たちの声が噴出しつつある。

7月4連休、8月は3連休。10月は祝日なし

 では、どの祝日がどこに移動したのだろうか? まずは、【改正後】のカレンダーを見てほしい。

 本来「海の日」は7月の第3月曜日(今年は7月19日)だが、今年は東京オリンピック開会式前日の7月22日へと移動している。そして開会式当日の23日に、なんと10月の第2月曜日(今年は10月11日)の「スポーツの日」を移動させ、この日も祝日となった。さらに、本来8月11日の「山の日」は、東京オリンピックの閉会式がある8月8日(日曜)に移動。そのため、翌日の9日が振替休日となっている。

 つまり、開会式前後(7月22~25日)が4連休、閉会式前後(8月7~9日)が3連休となる(そのぶん、10月の祝日はなくなった)。

 祝日を移動させた理由については、首相官邸の公式ホームページに《東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催期間中のアスリート、観客等の円滑な輸送と、経済活動、市民生活の共存を図るため》と記されている(ちなみにパラリンピック開会・閉会式のための祝日移動はない)。

 お気づきのかたも多いだろうが、この特例措置は昨年も行われていた。ポイントは、昨年はどのカレンダーも祝日の移動に対応できていたのに、どうして今年は対応できていないのかという点だ。

 その理由について、手帳・カレンダー業界大手の日本能率協会マネジメントセンター(JMAM)の広報担当者に話を聞いた。

「手帳・カレンダー業界では、前年の3月には印刷を始め、8月には商品を店頭に並べるというのが通例です。早いものだと前々年の12月頃から印刷を始める商品もあります。2020年版にそうした対応ができたのは、前々年、2018年の6月には祝日移動が決定していたからです。しかし、2021年の祝日移動が決定したのは、2020年の11月27日。商品はすでに店頭に並んでいますので、このスケジュールではどうすることもできません」

 そもそも、オリンピック延期が決まったのは2020年3月30日。祝日を移動させる法案は2020年の5月には通常国会に提出されていたが、コロナ対応に追われて審議が進まず、かつ安倍晋三総理が辞任するなどして、法案の可決が遅れに遅れたという背景がある。

 もし5月に可決されていたとしても、1月始まりの商品の印刷には間に合わないスケジュールになる。

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン