売れているマンションは6000万円以上の高額物件ばかり
コロナ不況の特徴は、年収1000万円以上の層にはほとんど影響が出ず、世帯年収が数百万円の中堅所得層に強くマイナスの影響が出ているところにある。
マンション市場でいえば、都心に立地する6000万円以上の物件は新築、中古ともにそれなりに動いている。新築マンションの販売は好調とは言えないまでも徐々には進捗。中古マンションに関しては、かなりなハイペースで在庫の圧縮が進んだ。テレワークのために広さや部屋数を求める需要が発生したからだ。
しかし、中堅所得層の多くは収入が減じたことで住宅ローンの返済や家賃負担に困難が生じている。
銀行に駆け込めばローン返済猶予の救済措置もある
コロナ感染拡大の影響で収入が減少し、ローン返済に困っている人は急増している。そういう人たちははまず、借りている銀行に相談する。
銀行に相談すればローン返済の猶予プランを提案してくれるが…
すると、銀行は返済猶予のプランを提案する。とりあえず半年から1年ほどの間は利息のみを支払うといった内容だ。収入が回復すれば元金も合わせた通常の返済に戻そうというもの。当然、返済期間は延びる。
金融機関への相談は新型コロナの感染拡大が始まった昨年春から急増し、住宅ローンの返済猶予など救済措置を受けた人はじつに5万人を超えているという。また、返済の相談を受けた銀行等は、9割以上の割合でこのような返済猶予に応じていると言われる。
そして、そろそろ「とりあえず」の期間が終了し始めるのがこれからだ。