芸能

ジャニーズJr.卒業生のポテンシャルに高まる期待 

「関西ジャニーズJr.」を卒業し初舞台主演の室龍太。

「関西ジャニーズJr.」を卒業し初舞台主演の室龍太。

 演劇は古代ギリシャ時代には医療の一環だったという。それは、舞台が私たちの精神を癒すからだろう。フランスの詩人であり“バーチャル・リアリティの父”といわれるアントナン・アルトーも、演劇が精神に有効であると説いている。実際に観劇に行くと、客席に身を置くことで自分が舞台の一部になったと感じることがある。ぼおっとしているうちに、舞台の世界にいつの間にか引き込まれている。現実なのに現実ではない、遠い場所にいるような独特な感覚を得られる。

 この、コロナ禍で、私たちの心は摩耗し、疲弊した。度重なる緊急事態宣言があり、収容人数の制限など制約はあるが、劇場や主催側はさまざまな対策をして、観客を待っている。関西ジャニーズJr.を4月に卒業した室龍太(むろりゅうた・32)は、演者の立場から、

「コロナの影響で、7か月以上、上演延期になりました。しかし、またできると信じていましたし、落ち込まずにお気楽に過ごしていたんです。落ち込んでいる時間ってもったいないし、その時間にできることをやろうと」

 と語る。彼が主演の舞台『コムサ de マンボ!』は今年1月に上演される予定だった。それから8月に延期となり上演が決まるまでの間、室にとっては“卒業”という大きな節目もあったのだ。

「(卒業して)特にこれが変わったとかはないです。『Jr.が取れた、わっしょい!』って感じでもないですし。もちろんうれしいんですよ。だからといって、Jr.が取れて満足した気持ちもないですし、これからやと思っています」(室)

 東京を拠点とする『ジャニーズJr.』と大阪を中心にした『関西ジャニーズJr.』。彼らは日ごろから歌やダンスのレッスンを重ね、先輩グループのバックダンサーを務めながら研鑽していく。1970年代から歴史があり、現在の在籍者は約200人という。

 今年1月には、2023年より満22歳になって最初の3月31日までにジャニーズ事務所と話し合い、活動継続について合意に至らない場合はJr.としての活動を終了する新制度が発表された。室のようにジャニーズJr.を卒業するということは、アーティスト、俳優など表現者として一人立ちすることを意味している。

 関西ジャニーズJr.在籍中は、グループをけん引しながら『滝沢歌舞伎 2017』、『大阪環状線 ~君の歌声が聴きたくて1985~天王寺駅編』などの舞台、映画『おとなの事情 スマホをのぞいたら』などに出演している室は俳優としての評価も高い。またキレあるアクロバットやダンス、のびやかな歌声にも定評がある。さらに関西出身で、さすが先輩、関ジャニ∞のバックなどで鍛えられただけあって、コメディセンスも抜群。舞台『コムサ de マンボ!』はドタバタのコメディ劇で、室は絶体絶命の放送作家を演じる。

「人生で2回目の主演作です。あ、3回目か。最初は小学校の時にピーマンの王様を演じました(笑い)。特に気負うところもなく、周りのキャストのみなさんやスタッフさんに支えてもらえたらと考えています。自分で言うのもなんですが、多くの方から“愛され力”があると言っていただいているので、それを信じて今まで通りにやって行こうと思います」(室) 

関連記事

トピックス

今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
国仲涼子が語る“46歳の現在地”とは
【朝ドラ『ちゅらさん』から24年】国仲涼子が語る“46歳の現在地”「しわだって、それは増えます」 肩肘張らない考え方ができる転機になった子育てと出会い
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン